幕間 ここまでのあらすじ

 私立八雲やくも大学の映画研究サークルの面々は、自主制作映画の撮影のため、南方の無人島「海昏島かいこんじま」を訪れる計画を立てていた。


 撮影予定の映画は吸血鬼を題材にしたホラー映画で、吸血鬼伝説の残る海昏島に建つ洋館が、彼らの大きな目的である。


 ミステリー作家にして八雲大2年生の弥勒院みろくいん明彦あきひこは、この映研に所属する同じ学科の友人、五十嵐いがらし康介こうすけに協力を頼まれ、撮影に同行することになる。


 撮影には明彦と康介の他に、サークルメンバーである4年生の塚原つかはら恭子きょうこ、3年生の長谷川はせがわ大毅だいき庄司しょうじ沙織さおり、2年生の元木もときすぐる、1年生の三島みしまあかねに加えて、医学部6回生の進藤しんどうれい、映研OBの倉橋くらはし桂太けいたが同行する計画である。


 彼らは本土から海昏島へと渡るため、最寄の漁港へと向かう。



 田原たはら丈二じょうじは、大学サークルの一行を船に乗せるため、早朝の漁港で待機していた。

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