最初の三人


「大モグラは旨いから、きっと見つけに行ったんだろう、だが人間嫌いの青ワシが、人里近くに行くかな」古い毛皮を着た人間が言った。

「青ワシが人里に降りてくるなんてことがあるんですか? 」美しい光沢をもつ毛皮のフードから、優しい女の子の声がした。三人とも青ワシがもう点にしか見えない方向を見ていたが、彼女の眼はずっと閉じられたままだった。

「一度だけ、てくてく畑を歩いているのを見たっきりだな。老師は、何度もご覧になったんですか?」と少し茶目っ気たっぷりな言い方をしたのは彼女より大きく、年齢も少し上の男の子、男性、まだどちらかはっきりと言えないような年齢の人間だった。

「リュウリ、その呼び方はやめてくれんか、一気に年寄りになった気がする」

「でもラランと話していたんです、名前で呼ぶのは失礼じゃないかって。ご自分が先生と呼ぶのはやめてくれというからそうしていたんですが」そう言って若い二人は同じ顔をして笑った。二人は兄と妹、そしてまた三人は歩きだし、リュウリは目の見えないラランのために自分の手を出し、彼女は肘と手の平のちょうど真ん中を持って歩き始めた。

「お父さんからよく言われていたんです、お前たちは幸運だって。腕の良い命色師に教えもらうことができて、と」ラランは落ち着いていった。それには彼は小さな微笑みで返しただけでこう答えた。

「少し急ごう、これから先もあるのだから」

フード付きの同じ型のマントは、歩くたびに揺れ、その内側の目のふれやすい所には同じマークが刺繍されていた。緑の山と、薄い茶色や白や、本当に薄い緑などのいろいろな糸で縫われた山、それが楕円の中に描かれていた。これこそが神代の時代から受け継がれてきた色石の山、そう、彼らの故郷は

「神の怒りを受けぬ町、そして命色師の誕生の地」であった。

 


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