第3話デレデレ、登場です。
記憶が戻ってから早1ヶ月が流れた。
もうすぐ春になろうとしてる時。
5歳から学園に入るまで、貴族はありとあらゆる知識を身につける。私も入学に向けて勉強に取り組んでた。
…そんな時、お父様から呼びだされた。
「今日の昼、執務室に来なさい。」
朝食に言われた言葉。
この時期になると政略結婚。当たり前のような風習。お母様とお父様も政略結婚。でも恋愛婚って聞いてるから私も恋愛婚がしたい…なんて贅沢かな。
お父様は王家の直属の辺境伯。信頼されてるからこそこの国「ヒノマム」の一番大事な国境線付近の地域を任せられてこの地域の最高指揮官を行っている。
お母様は音楽家、キーリア家の長女。キーリア家は特に歌唱力に優れている。 楽器はもちろん弾けるのだが、「世紀の歌姫」と呼ばれるほど、お母様の歌声は素晴らしいものだ。国のパレードにも呼ばれるほど価値のある歌声だとおばさまから常に言われてきた。
こんな二人の娘なんてほんと才能が無いと生きていけないレベルで窮屈で死にそうだけどまあ、前世の記憶、知識があるからこれは勝ったのでは???
そんな話はあとででいいか。
とりあえず、ぐるぐる考えながら執務室前についた。
コンコンとノックをする。
「..........どうぞ」
「失礼します。」
簡単そうに見えてややこしい貴族のやりとり。
あーしなきゃいけない、こうしなじゃいけない、なんてルールがあるものだから難しい。特にダンスとか聞いてない。相手の足を踏んでしまうことばかりでとても恥ずかしい。
なんて思っていると話が進んでいた。
「今日の夕方、婚約者と顔合わせがある。お相手はこの国の王子、ギアロート・ヒノマム第二王子だ。くれぐれもそそうのないように...。
...
...
.....って堅い話はいいから僕の膝の上においで、リーフェ。」
そう、お父様ってツンデレというか、子供には甘いって言うか、前世とはほんと大違い。でもやっぱり、大好きなお父様に近づこうとしたら体が反応して動かなくなる。近づいたら殴られると思ってしまってこの人は違うと何度も確認しても動かない。記憶が戻って1ヶ月たってもほんとに直らない。
こんなんで、しかも王子様との婚約とか私、どうなっちゃうんだろう...。
「そんな不安な顔をしてもだめだよ?リーフェ。男の子を誘っちゃうからね。自慢の娘なんだから自信を持って今日のお食事会、頑張ってね。」
さすがお父様。
感情を読み取るのが上手っていうか...。
しょうがないし頑張ろう...。
二つの人格が影響されすぎて安定してない今の状況でどうなるのか、ああ、パニックを起こしそうだな...なんて。
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