第七話 調査
『それじゃあ、当初の予定に戻って、
「へい。でもまあ
ヴィムは帳場に上がると、床に落ちていた
ヴィムは
「えーとなになに『前略、
『そうか、また同じ奴ということかい』
「そうでやすな、おい小間物屋、この添付書類を、手前の
「へ、へい。一昨日確かに開封しやした。まさかこんなことになるとは…」
『決まりだな。今回の
立維は首を傾げた。事の流れは何となく分かった。しかし何故この流れで
立維はかんなに向かって手招いた。
「どうしました、立維様?」
雁を介抱していたかんなはそれに気付くと、雁を床に寝かせて立維の元にやって来た。
立維は少し声を潜めてかんなに話しかける。
「今の話だが、ちょっと腑に落ちない部分がある」
「あ、はい、何故私の身体を諦めたのかという部分ですよね」
「それはもっと前の話だ!というか法螺話だろうが!」
「分かってますよ、冗談です、冗談」
かんなはくすくすと笑うと、立維の腕をぽんと叩いた。
「で、腑に落ちない部分とは?」
立維はかんなを睨み付けてヒソヒソと話を続ける。
「うむ、小間物屋の印の話の部分だ。公開印と秘密印という単語が微妙に分からなくてな。あれは普通の印とは違うのか」
かんなは呆れ顔で立維を見た。
「立維様、魔法処理についてもっと勉強なさった方がいいですよ?
立維はぐっと声に詰まった。多分そうだと思っていたからこそ、恥ずかしくて声を潜めたのだった。
かんなは呆れながらも解説してくれた。
「
「ああ、そうだ、それだそれだ」
「…立維様。対して
「絶対にか」
「いえ、拾年くらい頑張れば解読できるかもしれませんが、その頃には何の価値も無くなっているでしょうね」
「なるほど」
「なるほど、じゃないですよ。魔法印鑑は都では商人が当たり前に使っているんです。武士が知らなくてどうするのですか」
「いや、思い出した。うん、納得した」
「理解したんですね?じゃあ、今度は
いつの間にかヴィムと市破が聞き耳を立てている。立維は分からず、あっさり諦めた。
「すまぬ、教えてくれ」
かんなはがくっと肩を落とす。
『おう、ちょっとすまねえが、
「あ、
『ではヴィム、
「へえ、わかりやした」
『かんな、おめえはもう少し小間物屋で頑張ってくんな。やることは分かるか?』
「はい。当初指示頂いた内容ですよね」
『そうだ、頼むぞ。
コマンダーはてきぱきと指示を飛ばすと、最後に立維に言った。
『今回の
「立維様、私もとても不思議です。あの空白の時間に何があったのか」
『ほう、かんな、おめえも何があったのか分からねえのかい』
かんなも真実を教えてもらおうと、ここぞとばかりに立維ににじり寄って来た。
だが、魔法の内容は秘中の秘だ。おいそれと教える訳にはいかない。
「でも、立維様が話すのを
『ほう、その答えは?』
立維は、かんなと
「それは恐らく、立維様の技で、私を人智を超えた快楽の波に引きずり込んだので御座います。押し寄せる魅惑の世界に私の心は引き裂かれ、記憶は塗り潰され、また新たな波が押し寄せては、私の心を引きずり込みました。こうして私は、この恐ろしい程の快楽の体験を思い出すと、心が壊れてしまうのを無意識に悟ってこの記憶を封印したのです。ああっ、封印されていた記憶が…記憶が溢れて来る、立維様が私の…」
「分かった!分かったから!後で絶対説明する!」
立維は呆気なく降参したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます