第453話 魔法少女っていうより、魔物少女ってとこでしょ
映像はさらに続いていた。
アスカは頭を削りとった魔法少女をもったまま、今度は左手に握った魔法少女を地面に叩きつけ、すかさず思いっきり踏みつけた。ボンという音がして肉体が破裂し、内蔵と
『うわー、勘弁してぇぇ』
嫌悪のことばをぼやきながら、アスカは頭が半分ない魔法少女も地面に叩きつけて、今度は二体同時に踏みつけた。何トンもの体重が一気にかかり、二体ともぺしゃんこになる。すでに頭が半分になったいたほうは、踏みつけられた勢いで、首がもげたうえ四肢の一部はちぎりとれていた。
そこまでの一連の動作はわずか数秒——。アスカは魔法少女二体がぼろ雑巾のようになった姿を一瞬確認するやいなや、セラ・ヴィーナスのからだをビルにピタリとつけてイオージャから身を隠していたのだった……。
「死んだのか?」
その始末する映像を見終わってもなお、ヤマトは再確認した。
「あれで生きてると思う?。もしそうだったら魔法少女っていうより、魔物少女ってとこじゃないかしら?。頭や手足が勝手に動き出さないようにぐちゃぐちゃにしたつもりよ」
ヤマトはもう一度空を飛んでいる魔法少女の鉄像に目を映した。一体も欠けていないどころか、まるで損傷を受けた様子がなにもない。
だが、アスカが引っつかんだ二体はなすすべもなくぐちゃぐちゃに潰れた——。
いままできいていたはずの通常兵器による攻撃が無効かされたと……。
そのとき魔法少女たちの群れがいっせいに下方に顔をむけた。チープなセルロイド製のお面がアスカとユウキがいる方向を見つめていた。
「アスカ、ユウキ、まずい。魔法少女がくる!」
ヤマトは警告を発したが、空中の魔法少女の群れは一気に下方にむかって、直滑降してくるのが見えた。だが、そこへミライの警告がかぶさってきた。
「アスカ、ユウキ。逃げて。イオージャのまわりの魔法少女たちも、あなたたちの存在に気づいたわ……」
イオージャを
イオージャのまわりを取り巻いていた魔法少女は、まるで磁石に吸い寄せられる磁性粉のように、ぱらぱらと粒子状になってアスカたちのほうへむかっていた。
「挟み撃ちにされる!!」
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