第19話 アルナの実力

 僕は人故に立ち向かう。

 月光剣サテライトを槍のように構えて、人故に向かって勢い良く投げた。


 月光剣サテライトは白き輝きをまといながら、勢いを増していく。


 そのまま人故を貫いた。


 しかし、人故は一瞬で再生してしまう。


 斬りまくるか。

 僕は遠隔操作で月光剣サテライトを振りまくると、人故が闇で防御を始めた。


 これじゃ小さい攻撃をいくらしても意味がないな──


 僕は一旦月光剣サテライトを手元に戻す。

 そして意識を集める。


 だが、人故はそんな隙を与えてくれはずもない。僕の方に大きく闇を纏いながら殴りかかってきた。


 そいっ。

 ドガァァアア

 僕は闇結晶を投げ、爆発させた。

 人故の手が一瞬吹っ飛んだが、すぐに再生してしまう。


 その瞬間、僕はためた意識を放つように月光剣サテライトを振りたくる。


 大きな衝撃を立てて、白い闇がぶつかった。


 人故の半身は崩壊。


 ──倒したか。


 と思ったが。


 ジュウゥアアア


 ──まだ再生する!?


 人故は再生直後にもかかわらす、さらにフルパワーで攻撃してきた。


 僕は必死に抑える。

 だがフルパワーなだけあって抑えきれない。


 これでひるんでくれ──

 僕は月光剣サテライトから人故の後ろに当たるように弾を放つ。


 弾が人故の後頭部にあたった。

 すると人故がすこしひるむ。


 ──頭か。


 僕は人故の頭を斬りたくる。

 しかし闇が厚い。


 ──防御を頭に固めたか。


 僕は一旦離れ、意識を高める。

 さっき投げた闇結晶を拾う。


 そして、闇結晶を人故の頭に投げる。

 同時に月光剣サテライトを地面に向けて大きく振り、その衝撃で僕は高く飛ぶ。


 闇結晶を爆発させる。

 人故の闇が薄くなったところを──


 スバシュッッ


 ──僕は人故の頭を消し飛ばした。


 どすっと人故が倒れる。


 ──僕は人故を倒したのだ。



「「うぉおおおおおおお」」


 周りの兵たちが歓声をあげる。

 閃霧隊の皆が僕のもとへ駆け寄ってくる。


「遠隔操作、できるようになったんだな!」

「闇結晶を利用した爆発も、とても感心しました!」

「本当に凄いですよ!」

 三人とも僕を褒め称えてくれた。


「凄く、強くなったね」

 流輝さんが微笑みながら言ってくれた。

「はい!」

 僕は嬉しくて、大きく返事をした。



 ──支部に帰還。


「お前たち、よくやった!」


「あの人故は、相当強かったと思う。それを倒した功績は、すぐに与えられるだろう」


 支部長が僕らを称えてくれた。

 僕らは喜び合った。


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