第17話 再起の為に
僕らは治療を受けた。
ジュゥゥゥ
闇での治療は初めて見る。
だがあのときの
がらっと治療室の扉が開く。
其先支部長が入ってきた。
「お前たち、何があった」
「……調査に行ったんですが……」
流輝さんがこと細かく支部長に事の顛末を伝えた。
「そうだったか……」
「そのモール跡地は危険だな……」
治療室に落ち込みの間が通った。
──二日後──
僕らの体は痛みなく動ける程に治った。
しかし、木賊さんの受けた傷は少し大きく、治るのにもう少しかかりそうだ。
「僕はもう少しかかりそうですね……皆さんは治って良かったです」
木賊さんが言う。
場に暗い空気が流れる。
……みんな油断をしていたようだ。
「もうちょっと、気をつけておくべきでした……」
佐部さんが言う。
「そうだな……」
爽也さんも続く。
僕らはその場を解散した。
僕は寮に戻る。
うかつだった……。
僕の力は強いものだと思っていた……。
いや、確かに強いのは変わらないのかもしれない。しかし、力だけ強くても意味はないのだ。
鳥型と戦うとなると、開けた場所では僕の攻撃など通じないだろう。
──もっと闇を扱える様になろう。
僕はそう自分に誓った。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
僕はその日から訓練を充実させた。
他のみんなもおそらく訓練に励んでいるんだろう。
閃霧隊は負傷して、しばらく任務が来ないので、訓練する時間はある程度ある。
僕は支部長に頼んで上位階級者の個人訓練室を使用する許可を得た。
僕が訓練するのに真っ先に目を付けたのは、遠隔操作だ。あれを習得すればだいぶ戦力になれるだろうと思った。
僕は努力した。
今までのうのうと普通に過ごして来て、したことないほどの努力をした。
今までの、なにもしてこなかった自分を嫌った。
心なしか、訓練時の僕の闇が、少し黒く濁って見えた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
──数日後──
僕が遠隔操作を訓練する上で習得した技がある。
まず遠隔爆発だ。
研究部の高橋さんにお願いして普通の
次に闇弾。
鳥型の攻撃を思い出して、真似しようとしたところ、同じように剣先からある程度の距離まで闇の弾を撃てるようになった。
そして肝心の遠隔操作は──
シュッ シュシュッ
僕は上に
そしてすぐさま
スバァ ズバァバァ
そして静かに降りて来て。僕の手元に戻る。
──僕は遠隔操作を習得したのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます