第16話 新種の強さ

 僕らは、目的地を目指して、史跡の街跡を進む。

 目的地は東黄側の北東方面にある、大きなショッピングモール街だったと思われる場所。


「なんか、進むに連れて倒し甲斐のある廃棄物ガーベッジが多くなってきてません?」

「確かに。少しずづですが徐々に強くなってる気がします」

 佐部さんが気づくと、木賊さんも言う。


「あれじゃないか?」

 爽也さんが剣を向けて言う。

 向ける先に、とても大きな建物が3つ4つほど並んでいる。


「あれだねー、行こうか」

 流輝さんが言う。


 僕らは廃棄物ガーベッジを倒しながら、建物に向かった。



 建物まで到着。

「ここから入れるね」

 おそらく地下駐車場だろうか。

 僕らは進んでいく。


 しばらく進むと。


 バサバサッ

 何かが羽ばたく音が響く。

「居ますね」

 木賊さんの声も響いた。



 バシュッ

「爽也さん! 後ろです!」


 ガキィ

 防御の音が響く。


「危なっ、ありがとう木賊くん」

「……現れましたね」


 バサッバサッ


 鳥型の廃棄物ガーベッジが現れた。


「狩り甲斐ありそうですねー」

 佐部さんが例のごとく笑みを浮かべながら言う。


「ギィェェエエエエエ」

 バシュッ


 鳥型が突っ込んで来る。

 僕は防御の構えを立てる。


 ブォォオアア

 鳥型の周りを大きな闇が覆った。そのまま突っ込まれる。


 スザァと勢いよく突っ込まれ、僕らは倒れた。


 そしてすかさず鳥型は追撃を仕掛けてくる。


 バシュッ

「効かないっ」

 木賊さんが射撃をしたが、弾かれた。


 ──イィィイン

「私が食い止める」

 流輝さんが闇で攻撃を防いだ。


 バキッ

 しかし、流輝さんの防御も破れそうだ。


「アルナ君っ爽也君っ お願いっ」

「「はいっ」」


 僕らは両横から攻撃を当てに行く。

 鳥型は一旦引いた。


「これはかなり辛い相手だね」

 流輝さんが厳しい面持ちで言う。


 バシュバシュッ

 鳥型が闇の弾を放ってきた。

 僕らは避ける。

「中距離も戦えるなんて、どんな廃棄物ガーベッジですか」

 木賊さんが悲痛を漏らす。


「どう戦います?」

「広範囲攻撃でゴリ押すしかないんじゃないか?」

 佐部さんが聞いたのに、爽也さんは答えた。


「そうだね。私が道を塞いで移動方向を無くすから、アルナ君を中止に広範囲攻撃を仕掛けて!」

「「はい!」」


 流輝さんはそう指揮して、鳥型の向こう側へ行った。


 シュォアア

 流輝さんは盾状の闇を広げ、道を塞いだ。

「やって!」


「おりゃあああ」

 僕は精一杯闇を込めて、剣を大きく振るった。


 ザシュシュシュシュ

 斬られる音が聞こえた後、ボトっと何かが落ちた。

 白い霧がはれる。


 鳥型が倒れていた。


「やったみたいだね」

 流輝さんが言う


「大丈夫ですか?」

「どうにか大丈夫。アルナ君の闇が結構威力すごかったけど」


 僕は心配したが、流輝さんは笑いながら答えてくれた。


「みんなも大丈夫?」

 流輝さんが聞くと、全員無事を伝える。


「もう少し進もうか」

 僕らは地下を進んで行く。


 進んだ先には、空間が広がっていた。駐車スペースだろうか。

「ギェェアアア」

「ギェェエエエエエ」


 上を見ると、鉄骨の上に鳥型がズラーっと並んでいる。


「これはだめだ! みんな支部に帰還するよ! 逃げよう!」


 僕らは鳥型の行列を見るなり、すぐに逃げる。

 しかし。


 ズシュッ

「ぐあっ!」

 木賊さんが肩に攻撃を食らってしまった。


「大丈夫か! 木賊君!」

「大丈夫です爽也さん。急いで逃げましょう」


 僕らは逃げた。途中で皆いくらか攻撃を受けたが、建物を出たら追ってこなかった。


 別の建物に入り、一旦応急処置をする。


「支部に戻ろう」

 流輝さんが険しく言う。

 僕にとっては、初めての敗北であった。

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