第15話 任務再開

 ──あの後、また四人で訓練室に行って訓練した。


 ──数時間後、また研究施設に向かう。


月光剣サテライトの言う通りにやってみたけど、何も問題は無かったよ」


 高橋さんが疲れきった表情で言うと、それを見て流輝さんが聞く。

「すごい大変だったみたいですね、どうしたんですか?」


「いやぁ。月光剣サテライトはちゃんと教えてくれてたんだけど、私が構造を把握できずに手間取ってね」

「それより、この機械。こんなに小さくて軽いのに、これほど高性能なのは信じられないよ。まるで、原子レベルで構築されてる様だ。真って人はよほどの天才だったんだろうね」

 高橋さんが関心の念を伝える。


「大事に扱いなよ、アルナ君」

 高橋さんは最後にそう言ってくれたので、僕は快く返した。


「はい!」


「これからもよろしく、月光剣サテライト

「こちらこそ、亜月光アルナ


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 ──翌日──


 初戦闘の日から三日後、また任務だ。

 今回も東黄から放たれる廃棄物ガーベッジの対処。しばらくの間はこの任務のままだろう。


「三日ぶりだね! 佐部さん」

 流輝さんが話しかける。


「そっそうですね! あれ? 皆さんなんか仲良くなってません?」

「あぁ、二日間ほぼ一緒にいたからな」

 僕らの雰囲気を見て、佐部さんが聞くと、爽也さんが答える。


「そうなんですね! ごめんなさい、私、一人で訓練してて……」

「こっちこそ、出向きに行けなくてごめんね」

 落ちこむ佐部さんを、流輝さんがなだめる。


 僕らは堤防に登る。

 僕はふと思って月光剣サテライトに聞いた。

月光剣サテライト、敵の廃棄物ガーベッジの数って分かったりする?」

「はい、闇探知システムを実行します」

「こんな事もできるのか……」


 僕と月光剣サテライトの会話を聞いて。

「えっ!? それって喋るんですか!?」

 佐部さんが当たり前の反応をする。


「そういえば、佐部さんは見るの初めてだな。月光剣サテライトにはAIが搭載されてるらしいんだ」

 爽也さんが昨日の事を言うと。


「そんな……」


「大丈夫、安心して。私達も最初見たときそうなったから」

 唖然としている佐部さんに、流輝さんが笑いながら言った。


「探知完了。半径500m内に推定93体の廃棄物ガーベッジを発見しました」

 この機能は便利だな。

 未開拓地域は各地域間での争いが絶えない。

 奥に進むにつれ、片付けられていない古代文明の史跡の建物が多くなってくる。

 その中で、敵の数を探知できるのは良い点だろう。


 僕らは史跡を進んで行く。

 出会う廃棄物ガーベッジをなぎ倒し、待機所に戻り、休憩なんかを取りながら、ただただ廃棄物ガーベッジを狩る。


 そういう作業が一週間ほど続いただろうか。



「そろそろ廃棄物ガーベッジ狩りも飽きてきましたね」

「俺はとっくのとうに飽きてるなー」


 そんな日の任務帰り、木賊さんがそう言うのに続き、爽也さんが諦めてる口調で言う。


 今日の報告をしに、支部長の所へ向かう。


「お、何か問題はあったか?」

「いえ、いつも通りでした」

「そうか」

 特になにもなく、いつもの其先支部長と流輝さんの会話。

 しかし今日は少し違うらしく。


「そろそろお前たち閃霧隊も連携が取れて来た頃じゃないか?」

「はい、だいぶ戦えるようにはなったと思いますよ」

「それでだ。明日、閃霧隊には別の任務に行ってもらう」


 今までのただの廃棄物ガーベッジ狩りから、別の任務になるのか。

 僕も飽きてきてたし、丁度いいかな。


「任務とは?」

「ある隊が東黄方面に向かって少し奥の方まで進んだらしいんだ。そしたら、見たことない廃棄物ガーベッジが建物内を飛んでいたとの情報が入った。その隊が言うに、おそらく鳥類の廃棄物ガーベッジだろう。」

「そうなんですか」

「あぁ。それで、お前たち閃霧隊にちょっと調査に行って貰うって訳だ」


 同じ廃棄物ガーベッジではあるが、新しいタイプの敵に、僕は少し期待していた。


 そして同時に、油断もしていたんだ。


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