第13話 新技はまだ遠く
「アルナ君、動かせそう……?」
流輝さんが期待に満ちた声で聞いてくる。
爽也さんに木賊さん。篠崎隊の三人。他の兵たちも僕の方に期待の目を向けている。
「……やってみます。」
どうしたらいいかよく分からない。
しかしとりあえず意識を高めた。
すると、
「「おぉ」」
観衆の驚きが聞こえて来る。
──そして。
──
僕も大パニック。
やばいやばいやばい。
止めようと意識しても、余計暴れ回る。
「アルナ君……! 意識をそらして!」
流輝さんが呼びかけて来て、僕ははっと冷静になり、意識をそらした。
シュウウゥゥ
周りの兵たちも落ち着きを取り戻す。
「お騒がせして、すみませんでした!」
流輝さんが全員に謝罪したので、僕も続いて謝罪した。
周りの兵たちは呆れ口を叩きながら、離れていった。
「遠隔操作は……まだ早かったね……」
「そうですね……」
僕らは落ち込んだ。
「アルナ君、そういえばさっき
木賊さんが思い出したように聞いてきた。
「そういえば、言ってたよな? あれは何だ?」
爽也さんも不思議がる。
「確かに、私が初めてアルナ君を見たときも、『闇適正有、黒陽 亜月光を
流輝さんも記憶をたどって言った。
「何かおかしいんですか?」
何がおかしいのだろう。
「そもそも、
木賊さんが勧めて来たので。
「そうなんですか、じゃあそうしますか」
僕は返す。
研究部に移動──
──研究部に到着。
研究施設には、白衣を来たエンジニアたちがたくさんいるようだ。
「この人は、私達閃霧隊の担当エンジニアの、高橋さんだよ」
流輝さんが紹介してくれたのは、特に言うことはない普通の成人男性。ただ白衣を来ているのが少しシュールだ。
「初めてまして、君がアルナ君だね、よろしく」
「よろしくお願いします」
「それで高橋さん。
「何かあったのかい?」
「あったというか、前から気になってたんですけど、喋るのはどうしてなんですか?」
流輝さんが慣れた言い回しで、高橋さんに聞いた。
「それの事か。私も一回
明日の朝まで、待つことになった。
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