第6話 闇の扱い
──翌日──
とりあえず訓練場に来た。
数分もせずに椎名教官も来る。
「会議の結果、あなたの訓練は上位階級者が使う訓練場ですることになったわ。さっそく向かうわよ」
そう伝えるとすぐに連れて行かれた。
訓練室-105-
「ここよ、道は覚えた?次からはここで集合するわ」
「はい」
教官は胸ポケットからカードらしきものを出し扉横の機械にかざして、開くと書かれたボタンを押した。
ガシューと空気がぬける音がして扉が開いた。
「上位階級者用の訓練施設だからロックされてるのよ、さあ入って」
不思議そうに見ていたら説明してくれた。
「はい……」
「あぁ、あなたみたいなケースはある程度期間が経てば個人証明カードが発行されるわ」
さらに僕がカードを気にしているのを読んだのか、教官はそれも説明した。
僕は、納得しながら訓練部屋に入る。
見たことのある壁と天井だ。一面真っ白の。
「この部屋は全面が特殊コーティングされていて、そうそう壊れないわ」
部屋を見回していた僕を見て、教官はそうつぶやく。
「早速だけど、とりあえず闇操作の基本から教えるわ」
教官が持っていた
「普通に起動してみなさい」
「はい」
僕はトリガーを押した。
シュワァと例の如く白い霧が立ち昇る。
「知ってるとは思うけれど、
「その仕組みは、中に
「そして、
僕はへぇーと関心しながら聞く。
「研究部が言うに、その
「そうなんですね」
僕しか扱えない剣がそこまですごいのかと僕は思った。ってことは僕もすごいんじゃねとも一瞬思う。
「そして、
そう言うと教官は、腰に付けていた剣型の
シュオォと音を立てて少し茶色がかった黒い霧が立ち昇る。
「この普通の状態で剣を振ると」
教官が剣をそのまま縦に振る。
振った方向に霧が散った。
「こうやって小威力の攻撃しかできないわ。けれど、少し自分の心の闇を意識し、制御すると」
同じように剣を縦に振った。
だが今度は剣の先を弧を描くように霧が曲線になり振った先に進んで、散った。
「こうなるわ」
「おお」
僕は思わず声を漏らした。
「そして、心の闇にも色々種類があるわ。さっきとは別の感情で振ると」
また同じように縦に振った。
今度は、霧が塊になって振った先の地面を叩きつけた。ドンと鈍い音が出る。
「こんな感じで、自分の感情をコントロールすることで、様々な攻撃ができるわ」
「すごいです」
「今の斬撃と衝撃は私の得意な攻撃よ。あなたもいずれ自分の得意な攻撃を見つけられるわ」
「はい!」
──こうして僕の本格的な訓練が始まったのである──
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