第12話
第12話
探偵の記憶/Thursday
目覚めた瞬間から予定が狂うとテンションが下がる。今日は頼まれた数少ない依頼の調査に行くはずだったのに。
まさか病院で監禁されているとは。誰がなにをしたんだ?まあ治るまで動けないのだから依頼について整理しておくか。病室の日めくりカレンダーを見る。2月11日。
依頼されてからちょうど1週間が経つ。まさか彼から依頼されるとは...。あの事はまだ徹に話すべきじゃないと判断した。あんな事が起きて徹自身もまだ考える事が多すぎて他の事まで気は回らないだろう。いつかは話さなきゃいけない事だが別に今じゃなくてもいいだろう。そんなことを考えていたらいつの間にかまた眠ってしまっていたようだ。
1週間前
探偵の記憶
p.m.3:45
授業が終わり荷物をカバンに詰め教室を出た。朝から不良もどきに言いがかりをつけられたりして大変な1日だった。ただその1日はまだ終わっていなかった。
歩いていると急に肩を掴まれる。振り向くと、そこには今朝怒鳴り込んできた男の連れだった。
「ちょっと来い」
言われるがままについていく。人影がいなくなったところで彼が写真を見せてきた。女の子の写真だ。
「彼女の名前は里中 巫女。この子と彼氏との関係を調べて欲しい」
彼氏との関係って恋人じゃないのか?
「そういうことじゃない。デートとかを見てどこまでの関係か見て欲しいってことだ」
「なぜ俺に頼む?他にも人はいるだろう?」これを確認しておきたかった。使いやすそうだからという理由だったらお断りだ。
「こういうことは相模に頼むが1番いいって言われたんだよ」
なるほど。なら引き受けてやろう。いつの間にか有名になっていたらしい。
「わかった。で、その巫女って子とその彼氏のことを詳しく教えてくれ。ただすぐ調べられるかどうかは別件だ。それでもいいか?」
「もちろんだ。ただこの件は内密にな。実は巫女の彼氏は勝なんだ」
なに?おまえの兄貴分じゃねーか。
「あぁ、でも好きになっちまったんだ。それくらい頼む。これから悪いようにはしねえから」
別に悪いようにされてもいいが引き受けることにした。
「わかった。その彼女の写真送ってくれ」
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