第9話

怪盗の記憶/Tuesday


目がさめる。起きた途端に違和感。

まずいつものベッドの上ではない。どこか倉庫のような場所。ガレージのような雰囲気。かなり肌寒い。薄暗いが太陽?の光があるせいか視界には困らない。手は後ろで縛られているようでうまく動かせない。これは世間でいう誘拐か?昨日の徹はどうしたらこういう状態になるのか教えて欲しい。こんな状況でバトンタッチしてもらっても困る。状況が読み込めたところでまわりを観察。少し向こうに体がでかい高校生らしき人。寝ている。同じ部屋で男と寝ていたという事実だけでゾッとするがとりあえず起こすか。縛られて座っている状態だが足元にある石を蹴って彼を起こす。ムクムクと起きる男。

「起きたな。どうだ?痛むか?」

状況から明らかにこいつが犯人としか思えない。それなのに痛いかだと?当たり前だ。両手に力がはいる。ピシッ!ん?あ、後ろで縛られてた腕が自由になる。さて、なんだかわからないが逆襲開始だ。とりあえず蹴りをいれる。こう見えても運動神経はい良いつもりでいる。不意打ちで飛ばされる男。

「わるいって言ったじゃねえか!ほんとごめんって」

言われた覚えなんてない。勢いに身を任せ顔に1発拳をいれると伸びてしまった。とりあえずガレージから抜ける。見たことない風景。とりあえず人を探しに歩いてみることにした。なにか手がかりがないとどうにもならない。だが体がどうにもだるい。どうやら徹が受けたダメージは相当なものだったらしい。歩いているとめまいが起きてまっすぐ歩けない。ふらふらする。そして俺の意識は途絶えた。

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