第8話 No Data of Yesterday 第2章 Uな運命
旅人の記憶/Monday
学校が終わり、ふらふらと駅を歩いていた。やはり私服は動きやすい。俺は制服が好きじゃない。センスがないし、重たい。学校を出た瞬間にコンビニで着替えた。目的地はないが歩いているだけで楽しい。すると突然
「あの、すみません」
えーと、今俺の真後ろで声がした。俺が呼ばれたのかな?振り向くと1人の少女。全然知らない子。直感的に高校2年生と見た。
「急にごめんなさい。あの、今お時間ありますか?」
もちろん暇しておりますがまさかこの俺ナンパされました?軽い女だ。
「いいですよ。どこかの喫茶店でも行きますか?」
すんなり返事を出す俺も軽い。
数十分後、近くの喫茶店で向かい合っていた。すると彼女が口を開く。
「私、黛(まゆずみ)と言います。私のこと知っているかわかりませんけど見ての通り、あなたと同じ学校です。あなたに頼みたいことがあるんです。」
彼女の制服に見覚えはあるがそんなセンスが良くて動きやすそうな制服は着たことないぞ。しかも俺に頼み事って?
「噂で聞いてあなたを頼るといいって言われたので」
俺も有名になったな。だけどなんか俺すごいことしたっけか?なにか勘違いをされていることがある気がするぞ。
「調べて欲しいことがあるんです。」
いや、調べるなら俺よりも陽介の方が...ってこの人皐月高校か。ってことは俺を陽介と思っているのか?なるほど。なら勘違いされるのも納得できる。なんかあいつ女性の知り合いとか多いよな。人気もあるみたいだし。それに顔広いよな。知られてる人も多いし知ってる人も多い。顔を覚えるのが得意なんだろうか?考えてみると先週の金曜日の推理の時も一度しか会ってないのに、巫女の顔と名前が一致していた。探偵恐るべし。
さて、彼女に1つ...。
「すみません。今日あまり時間がなくて木曜日ならめちゃくちゃ時間あるのでその時でもいいですか?」
「はい、全然いいです。あとお名前聞いてもいいですか?私顔しか知らないまま声かけちゃって。」あーなるほど
「もちろんです。旅道徹です。」
...って。しまった!ついうっかり本名で言ってしまった。さてどうするか。
「わかりました。旅道さん。木曜日に放課後に教室に行きます。何組ですか?」いや、知らない。どうするか...
「い、いいえ、俺が迎えに行きますよ。何組ですか?」
返事を聞いて陽介用の携帯のメモ欄に今日のことを残す。お互い起きたらメモ欄を確認することを習慣づけている。その方が便利だからな。念のため、もう一台の方にもメモを。
「二台持ちなんですね」
「はい、いろいろあって」
「そうなんですね。じゃあ帰りましょうか」あ、ちょっと待って。
「最寄りどこですか?送りますよ。少しなら時間ありますし
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