第4話
探偵の記憶/Thurusday
俺は探偵だ。いや、探偵になりたいだけの学生だ。なりたいとは思っているがなんにも努力はしていない。まあこの歳になって探偵になるなんて言ったら笑われるはずなのだがもうこのキャラが定着しつつあるせいかもう笑われることはなくなった。ただネタにされてるいるだけだが...。
今日も探偵になりきるための1日が始まる。そして、今日学生にはありがちな事件が起きる。
「てめぇ!巫女のイヤホン返しやがれ!」巫女というのはこいつの彼女らしい。急に怒鳴り込んできたこの彼女持ちの男を思い切り殴ってやりたくなったが残念ながらそんな腕力はない。どうしてこんなとりあえず常人の返し方で。
「どういう事だい?」
もちろんイヤホンなんて知らないし、女の子のイヤホンを奪うなんてそんな趣味は持ってない。
「俺があいつにあげたイヤホンをおめーがとったって言う証言もとれてるんだよ!」
さて、そんな証言をしてくれた人を探す事を心に誓ってから相手に聞く。
「いつどこでだよ。誰が言っていた?」
向こうは黙り。まあそりゃそうだろうけど、なんもなく怒鳴り込んでくる人はいないだろう。いないと信じたい。すると彼は
「いや、今のは話を盛りすぎた。詳しくは教えてくれたやつのプライバシーに関わるから言えないがお前がとったと判断するには十分な証言を得てんだよ」
とまあ言いがかりをつけられたけど向こうもしっかりとした証拠もない。そのことを言うと、
「確かにそうだがお前が犯人じゃない証拠もない」
「上等だ!証拠くらい持ってきてやる!」
と大見得を切ったはいいが、詳しい事情も聞かずに逃げてしまったせいで証拠はおろか事件の全貌も掴めない。はぁ...。
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