第2話

怪盗の記憶/Tuesday


怪盗も楽じゃない。なにせこのご時世。

物を盗んだ時点で捕まる。

盗んで犯罪にならないのは人の心を盗んだ時くらいだがそんなのは俺みたいなもてない男には無縁な話だ。

小さい頃から計画を立てることが得意で完璧な計画を練っては人から物を盗みにはいる。待て待て!通報はしないでくれ。

こう見えても俺は学生だ。

物を盗む計画などは立てているが教室に進入して、盗むフリだけして怪しまれずに何事もなかったように過ごす。欲しい物があるわけではないのにその衝動が何故か止まらない。

だからこうして自分の計画力に酔いしれるだけの日課だったのだが。

今回初めて人から物を盗む。俺の彼女とのキューピットのような存在から理不尽な理由だがとある人からとあるものを盗んで欲しいと言われた。一生のお願いを使われたんじゃ断りきれない。


その人の学校の仕組みとその人のクラスを調べ制服を調達し、マスク(昔勢いで作った)をかぶり忍び込んだ。事前情報をもらっていたおかげでその人の教室のロッカールームにいきその目当てのものを見つけるまでもそんなに時間はかからなかった。なぜそんなことがその平日の真昼間にできるかというとたまたま学校がなんちゃか記念日で休みだったからだ。話を戻そう。

その人のロッカールームを開けて中を探っていると突然背後から

「なにをしてるの!?」

と叫び声が聞こえた。

言うまでもない。とてもまずい

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