応援コメント

慶賀の使節」への応援コメント


  • 編集済

     江戸城の幼い将軍が、琉球王子に伝えた願い事は、周囲の幕臣たちには決して叶うことのないことだと分かっていました。そして、幼い将軍が年を重ね己の立場が分かってくると、それができないことだと理解します。普通の人であれば、この約束は成就したことでしょう。しかし将軍だからこそ、できないことがある。それがお話を通して虚しさとして伝わってきました。

     最後に老将軍が、琉球国が「未だに遠く光り輝く月の国だ」と言って、琉球王子に桜の花が咲いた江戸の町を楽しんでいくように伝えたところが、「自分は琉球国の花を見ることは叶わないが、彼には江戸の花を見ることができる。だからこそ楽しんでほしい」という思いが秘められていると感じました。

     言葉も時代に合った言葉を選ばれていて、お話の情景と読みやすさを兼ね備えた内容だったと思います。

    作者からの返信

    コメントどうもありがとうございます。的確な読み込みに敬服します。
    ただ、この時代の琉球は外国で当時は鎖国中でしたから、一般の人でもそれこそ使節の人員にでもならなければ往き来出来なかったと考えられます。
    そこに時代の制約というか悲しみがあります。