クリフォトシステム

■クリフォトシステム


 アース文明の末期に人口削減政策の一環として開発された、広域戦術指揮システム。

 極めて自律性の高いシステムであり、外部からの干渉を避けるため、ディアボロスが成体に至った後は、全システムの管理権限がクリファからディアボロスに自動的に委譲される。

 ディアボロスと鋼殻兵クルーガーは、大抵の防磁対策を突破する極指向性EMPを発振する能力を有しており、高度に電子化された兵器に対して絶対的な優位性を誇る。

 特定の信号を発していない全ての人間を攻撃するようにプログラミングされている。



●ディアボロス

 クリフォトシステムの中核を担う戦術指揮ユニット。

 全長千三百メートルという桁外れの巨体を誇る。ヤシガニに似た姿をしており、有機物に加えて各種鉱物を食料とし、海中で成長する。成体になると陸上での活動能力を獲得し、加えて背部に備わった伸縮自在の気嚢に水素を充填することで飛行することも可能となる。

 アスタロトと鋼殻兵クルーガーの生産プラントを体内に有している。また付属肢の内の一対が電磁カタパルトになっており、アスタロトの衛生軌道上への投入や、鋼殻兵クルーガーの遠方への展開に用いられる。



●クリファ

 クリフォトシステムの生体ヒューマンマシンインターフェース。

 ディアボロスが成体になるまでの保護者的な役割を担う。役割を果たし終えるとディアボロスに取り込まれ、記憶を初期化される。



●アスタロト

 クリフォトシステムの通信偵察衛星。

 複数で連携し、通信、偵察、航法などの役割を担う。



鋼殻兵クルーガー

 クリフォトシステムの戦闘端末。

 鋼殻竜パンツァーとティアマトは、鋼殻兵クルーガーが野生化し、繁殖能力を獲得したものである。大まかな外見や特徴は子孫に当たる鋼殻竜パンツァーと似通っている。しかし細部においては明確な相違点が見受けられ、特に消化器や生殖器が機能を果たさないほどに未発達であるのに対し、顎や爪などの攻撃に要する機能は異常なまでに発達している。

 母体であるディアボロスから砲弾の形状で射出され、目的地に接近すると風帽に当たる部分が付属肢として展開し、同時に付属肢の付け根部分から圧縮ガスを噴射して急激に減速、着地する。

 アルテシア王国で多発している襲撃事件は、鋼殻竜パンツァーの仕業ではなく、ディアボロスから投射された鋼殻兵クルーガーによるものである。

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