第40話 これからも2人で
温泉旅館で1泊した。
僕と両親、そして里美の4人だが、里美は馴染んでいた。
未来でも、上手くやっているようだ。
少し、安心した。
そして、両親はもう1泊するといい、僕と里美はそこで帰路についた。
「基くん、驚いた?」
「まあね」
「ごめんね、本当にいいの?」
「うん」
車窓から見える景色が、何かを語りかけてくるようだった。
「基くん」
「何?」
「いいご両親だね。私、あの人たちの娘になれて、良かった」
「そう?」
「うん、だから幸せだよ」
里美の言葉に安心した。
未来の僕へ、里美が戻ったら、もっと愛してあげてくれ・・・
駅に着き、またタクシーで2時間かかる。
でも、これまでとは気分が違った。
家に着く。
当たり前だが、変わっていない。
「ふたりして、旅行に行ってたのかい?」
すっかりしたしくなった、おばあちゃんが声をかけてくる。
「ええ、温泉まで」
「そうかい、仲がいいね。お二人さん」
照れくさくもあり嬉しくもある。
「さあ、基くん、今日から早速、再開だからね」
「何を?」
「お互いのカウンセリング」
「でも、遅いし、明日からに・・・」
「ダメ」
「・・・はい・・・」
言葉少なく、威圧してくる。
「基くんは、知らなかったと思うけど、君といることで、私も変わってきた」
「言ってたね」
「うん。そして君も私といる事で、少しずつ変わってきた」
「そんな実感はないけど・・・」
「私には、わかるよ」
さすがというべきか・・・
「でも、今の僕が変わったとして、未来の僕に影響があるの?」
「もちろん」
「未来に戻って戸惑わない?」
「平気だよ。相手の全てを受け入れる、それが結婚だからね」
「そうなのか・・・」
元に戻った里美・・・
こっちが素だろう・・・
「それに、未来でとんがっていて私を変えてくれたのは、君なんだよ。
それと、お義父さんと、お義母さん。
だから、恩返ししたいんだ」
「それは、わかったけど・・・」
「何?」
「この時代の君には、影響はないの?」
「うん、大丈夫。同じルートをたどるよ」
「どうしてわかるの?」
「もし変わっていたら、私は今、ここにいないから」
なるほど・・・
って、納得していいのか?
「では、幼稚園にゴー」
「もう遅いんじゃ・・・」
「今日は、お泊まり保育だよ。」
里美さん、早く教えておいて下さい。
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