第37話  判明した事実

駅についた。

忘れていたが、河下村からこの駅まで、車で2時間はかかる。


でも、行きよりも疲れが出なかったのは、少しはリラックス出来たのか?

それとも、里美が一緒のためか・・・


車は、里美が事前に呼んでくれていた。

準備のいいこと・・・

ていうか、もし僕が断ったら、どうするつもりだったんだ?


あっ、拒否権はなかったか・・・


里美は、本来の世界の事を語りたがらない。

それは、仕方が無い。

でも、未来でもこの村は、殆ど同じらしい。


しかし、ひとつだけ訊いておこう。

今更だが・・・


「ところで、里美」

「何?基くん」

「血液型は?」

「どうしたの?急に」

「いや、気になって・・・

「A型だよ」

「そっか・・・」

僕はO型。いざという時に里美から、血はもらえない。

僕は、あげる事が出来るはずだが・・・


「基くんは、O型でしょ?」

「うん」

未来の僕から、聞いたのか・・・


「で、いいところってどこ?この時間だと、日帰りは無理だと・・・」

「泊まりに決まってるじゃない」

「あっ、それならいいんだ・・・って、よくないです」

「どうして?」

「だって、僕と里美は・・・」

里美は、微笑む。


「私は、君のカウンセラーってことになってるから平気だよ」

あっ、そうだった・・・


汽車が、乗り込んできた。

「うわー、キハ58だ」

里美は、子供のようにはしゃいでいる。


そういう形式なのか・・・この列車・・・


「さあ、基くん、行こう」

里美に、手首をつかまれ、乗り込んだ。


「ところで、僕は来る時に乗った列車は・・・」

「キハ181だと思うよ」

「そう・・・」


鉄の方は、鋭い・・・


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