第29話  変わろうとする明日

気がついたら朝になっていた。

外に出て、陽の光をあびる。


地元にいたころは、外に出るのがかったるいと思っていた。

でも、今は陽の光を浴びていないと、落ち着かない。

体質だけは、改善されたようだ。


精神は、まだと思うが・・・


朝日と共に置き、自然と戯れ、夜はぐっすりと寝る。

人間の本来あるべき姿かもしれない。


「あっ、基くん、起きてた」

「うん、目が覚めた」

「よしよし、いい心がけだね」

「里美のおかげだよ」

「私は、まだまだだよ」

でも、里美はまんざらでもないようだ。


「今、朝ごはん作るからね」

「ありがと」

里美は、好きだからと言っているが、やはり申し訳ない。

でも、勝手につくるのも門が立つ。


悩むな・・・


軽く体をほぐしてみる。

なかなか、いい感じだ。


以前に比べればだが・・・


「基くん、出来たよ」

「うん、今行く」


いつもながらに、上手そうな料理が並ぶ。

みそ汁をすすってみる。


「あれ、だし変えた?」

「気がついた?今日はこんぶとかつおぶしで、だし取ったんだ」

「いつもは?」

「合わせみそ」

料理の事は、わからない。

でも、こうして食べる食事は美味しい。


テレビはあるが、まだ付けていない。

里美との、会話のほうが楽しい。


「基くん、今日もがんばろうね」

「OK]


午前中は、さつまいもを育て、昼飯を取る。

午後は夕方まで、園児たちと戯れる。


だんだんと、それが日常になってきた。

当たり前の、日常に・・・


そういや、勉強はしてないな・・・


(基くん、今の生活全てが、君の勉強だよ)

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