第24話 成長の過程

  「基くん、君はとても素直で繊細。そこが、君のいいところ」 

    「どうしたの?里美・・・」

    「でもね、そこが弱点でもある」

    「・・・否定はしない・・・」

    「その弱点を減らして、長所を伸ばす・・・そのためには・・・」



目が覚める。

少し前から、よく見る夢だ・・・

「弱点を減らして、長所を伸ばす」

つまり、僕を変えるといことだが・・・


里美、君に頼っていいのか?僕は・・・


「基くん、あっ起きてる?」

「・・・うん・・・」

「もしかして、眠れなかった?」

「・・・いや、眠れたよ」

夢の事は言えなかった。


「朝ごはん出来てるよ。冷めないうちに食べて」

「ありがと」

僕は顔を洗って、頂くことにした。


相変わらず、美味しい。


「でね。わたしのお父さんたら・・・」

お父さんというのは、僕のお義父さんになる人だろう。

最近は、家族の事を話してくれるようになった。


それによると、両親と兄がいるようだ。


つられて僕も、話しだす。

以前なら、対話が苦手な僕は、相槌しか打てなかったが・・・


「会話をしながらの食事は美味しい」

前にも思ったが、日に日に食事が美味しくなっていくのは、会話がはずんでいくせいだろうか・・・


僕はもしかしたら、自ら人を避けていたのかもしれない。

でも、一度しみついたものは、なかなか落ちない。


里美は、「私が変える」と言ってくれた。


おそらく僕は、ある意味赤ちゃんなのだろう。

里美に変えてもらうためには、まずハイハイは出来なければ、ならないかもしれない。


真面目な話・・・

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