第21話 変化

昼食を済ませた後、ふたりで散歩に出る。

村民に出会えば、挨拶をして、事情が許すなら。会話をする。


この村に来た時は、感じなかったが、空がとても広い。

いかに自分が、狭い空間にいたことがわかった。


里美は、いつでも元気だ。

「里美は、いつ寝てるの?」

ふと訪ねてみた。


僕が起きる頃には、もう起きている。

僕が眠るまではそばにいてくれる。


まるで、母親みたいだな・・・


里美は、答えた。

「睡眠時間は、取れているから、安心して」

何か深いわけがありそうだが、追及はしないでおいて。

里美から、話してくれるのを待とう。


「ありがとう」


小さいが聞きとれた。


「明日から、作物を育てるからね」

「何を?」

「さつまいも」

「大丈夫なの?」

「うん」

農作業については、僕は詳しくない。


でも、里美がいうからには、大丈夫だろう。


「明日からは、土を耕すからね」

「大変だな」

「ガーデニングと思えばいいよ」

ガーデニングを趣味にしている人多い。


家につくと、里美が晩御飯の支度をする。

一週間分の、食料などは、届けらているようだ。

この辺りは、盗人などはいないので、安心だと思う。


里美は、僕が飽きないように、いろいろな料理を作ってくれる。

「料理は、私の趣味でもあるから、気にしないで」

里美は、いつも笑顔で答える。


里美が料理を作る間は、部屋の掃除をする。

最初は、奇麗になればいいと思っていたが、掃除の仕方にもあるようだ。


ここへ来て、得たものは多い。


(基くん、生き生きしてきたね)

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