第19話 開墾
外に出た。
目の前に、土地があるが、かなり荒れている。
「君の先祖代々の土地だから」と、里美は言っていた。
でも、実際は借りているということは、気付いていた。
でも、言わないでおこう。
「で、里美、何をすればいいの?」
「まず、開墾します」
「開墾?」
「雑草が生えているね」
「うん」
「全部抜いて」
「僕ひとりで?」
「うん」
「手伝っては・・・くれないよ・・・ね・・・」
「うん」
即答ですか・・・
「わかった。道具は?」
「ないよ」
「えっ」
「手で抜きなさい」
「やだ」
「わがままいわないの」
いや、わがままじゃないです。
「土と触れあう。これが今の君には大事よ」
「そういわれても」
「美味しい朝ごはん、用意しておきから」
里美は、そういうと消えていった。
「言っとくけど、さぼってもだめよ。見てるからね」
炊事場のところから、ここは見える。
さぼれない。
仕方ない、やるか・・・
本腰を入れて、やることにした。
水筒が用意されていた。
里美の優しさか・・・
さほど、広くはなかったので、すぐに全部抜けた。
でも、久しぶりに、いい汗かいた。
(基くん、汗をかくのも、大切だよ)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます