第16話  お勉強

次の日から、里美からのお勉強が始まった。


「さて、基くん、これは何だかわかりますか?」

里美は、ホワイトボードに描いて絵を見せた。


「里美、絵上手いな」

「まあね。で、答えは?それと勉強の時間は先生と呼びなさい」

「はーい、先生」

「伸ばさない。」

「はい」

「よろしい」

いや、よくないと思うが・・・


「はい、基くん、答えなさい」

確かに上手いが・・・僕が無知なのか?わからん。

動物か?


「先生。動物ですよね」

「そうです。はい、答えて」

しばらく、考えた。


「・・・リスですか?」

「いえ、違います」

「では、何ですか?先生」

里美は、咳払いをして答えた。


「ツパイです」

原始的だが、猿の仲間・・・

マイナーな・・・


「で、先生、そのツパイが、どうしたのですか?」

「ツパイは、原始的ですが、猿の仲間です。

ここから、人間へと進化していきました。」


進化の勉強のようだ。

でも、これは小学生レベルの問題。


いいのか?


でも、これは冗談でも、ふざけているわけでもなく、

里美には、深い意味があった。


【これからも、少しずつ変わっていこう】


そういう意味があった。

なら、何も回りくどい事をしなくても・・・


「基くん、文句ある?」

「ありません」

そうとしか、言えなかった。


大事にな事とは、このことか・・・

午後は、いつも通りのお散歩タイム。


太陽に光は、体に心地よかった。

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