第15話 ステップアップ001

里美との共同生活が始まって、2週間が経った。

生活スタイルは、変わらない。


それなりに、充実している。

「基くん、生き生きしてきたね」

里美は、そういうが・・・


そんな時、僕は心の内が、ふと声に出てしまった。

「僕は、静養の名をかりて、逃げているのかな・・・」


その声が、里美には届いたようだ。

「一歩、前進だよ」

「えっ」

「今、君は自分を変えたいという、気持ちが強くなっている。

その気持ちが無いと、私も手助け出来ないからね」

褒めてくれたのか・・・

という事は、弟2段階・・・


「じゃあ、明日から、弟2段階ね」

「というと?」

「午前中は、私が勉強を教えます」

「国語とか数学とか?」

「うん、それもだけど・・・」

「だけど?」

「今の、君に大事なこと」

大事な事か・・・


「午後はこれまでどおりね」

「わかった」

お散歩か・・・


現在、里美とは四六時中一緒にいるのだが、慣れてしまった。

僕への警戒心がないのだが、喜んでいいのか?悪いのか?


「両親からの、仕送りは?」

「もうしばらく、出してくれるって」

「そうなのか・・・」

自分で何とかしろと言ってはいたが、やはり、こういう面では、甘いのかもしれない。

何とかしないとな・・・


「で、第3段階は?」

「これも、君が答えを見つけて」

「えっ、また?」

「うん、自分で見つけないと意味ないからね」


里美には、逆らえない。


「未来の僕よ・・・

今、君は変わっているのか?」

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