第14話 月と太陽

僕は月だ。

夜空に輝く月。

いい意味ではない。


月は自力では、輝けない。

太陽の力を借りて、初めて光輝く事が出来る。


「私が、君の太陽になるから」

常日頃から、里美に言われている。


河下村に来てから、一週間が経った。

生活パターンは、決まっている。


朝起きれば、すでに里美が起きていて、朝食を作ってくれている。

そして、美味しく頂く。

料理もそうだが、里美との会話が、何よりの調味料。


外へ出て、近所の人に挨拶をする。

そして、他愛のない会話。

里美がリードしてくれるので、話しやすい。


帰宅して、昼食を取る。

同じく、里美が調理してくれて、一緒に食べる。

同じく、会話をしながらの食事。


最初は、相槌程度しか出来なかった僕だが、少しずつ里美の人となりがわかってきた。


昼食後は、部屋の掃除をする。

これは、僕の役目。

ただ、里美の指示がうるさいが、迷惑とは思わなかった。


そして、昼から夕方までは、散歩。

村民に会えば、挨拶をするというパターン。


そして、帰宅後に夕食を取る。

朝食や夕食と同じだ。

やはり、会話が一番の調味料。


そのあと、風呂にはいるが、さすがにこれは別々だ。

「一緒に入ろう」

冗談でも、僕には言えない・・・


そして、一緒の部屋で寝る。

ふとんば別だが、僕が寝つくまで、話しをしてくれる。


いいお母さんになると思う。


里美は、次の段階に進むには、ある条件があると言ってた。

「自分で考えてみて、ヒントはあげるから」


何だろう・・・気になる・・・

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