第13話 お散歩

お年寄りの方は、気さくな方多く打ち解けそうだが、

それは、向こうから、声をかけてきてくれた場合。

僕から声をかけるのは、当分かかりそうだ。


それに、少人数だが、若い方もいる。

こちらは、まだまだかかりそうだ・・・


「基くん、焦らず休ますだよ」

里美はそう言っては、ウインクをしてくる。

とても心強い。


とりあえず初日ということもあり、今日は家から歩いていける距離で済ませた。

数日かけて、村を回るらしいが・・・


で、午後となる。

昼食も、里美が作ってくれるが、手料理をふるまってくれた。


「カップめんか、菓子パンかと・・・」

「ジャンクフードは、体に良くないよ。後、おかしも厳禁だからね」

お菓子もジャンクフードですが・・・


「さて、基くん、午後からは・・・」

「お勉強」

「違う。散歩」

「散歩?」

「うん。勉強はここでの暮らしが慣れてから」

正直、ホッとした。

でも、次の言葉に打ち砕かれる。


「午後は夕方まで、散歩」

「散歩?」

「今日は、お天気だからね」

「でも・・・」

「基くん、君はまず、太陽の光を浴びなさい。そして、空気を吸う事。

それだけでも、かなり違ってくるから」

「僕に出来るの?」

「うん、私も同行する。ひとりにしたら、どこかに隠れるから」

信用されていないが、図星だった。


「でも、よく短い時間でランチを作れたね」

「言ったでしょ、料理は私の、一番の趣味なの」

「そうなんだ・・・」


(お義母さんの、受け入りだけどね・・・)


そして、午後は里美と散歩することになる。

水分は、里美が水筒に入れておいてくれた。


この村には、自販機が少ない。

少し離れたところに、駄菓子屋があるが、住民の殆どの方は、宅配してもらっている。


お年寄りなので、そのほうが助かるらしい。


散歩の時に村民と出会えば、挨拶はするように、里美に命じられた。

でも、里美が先に挨拶してくれるので、助かっている。


心なしか、元気がいい。

太陽の光は、大切だと知った。

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