クランー3

「ここ1ヶ月で情報無いのか?


べラムだけで新しく出来た場所とかあるか?」




トキは小説とかでありそうな誘拐事件の


発端について考えながら質問する。


・・・反乱軍だけが異世界じゃ無いよな?・・・




「何を考えてるが知らんが・・・


一旦怒気を抑えてくれないか?


子供達が怯えてしまってる…」




シルド達の後ろに以前預かった子供達が居た。


子供達は怯えて家族のズボンを付かんでいた。


周りを見渡すと野次馬が集まっており


警備隊もちらほら見えている。




「・・・分かった…応接室いこうか?


ついでに商売を行おうか…ヴァイス?」


「・・・?あ!分かりました先生!


騒がしくしてしまい住民の皆さん


申し訳ありませんでした…


これより暫く開けていなかったフィルの相談室、


ルティの愛護部屋を開店します!


今日、明日は無料としますので皆さん


久しぶりに仲良くしてくださいね?


更にルティの愛護室に新な仲間が増えました!


シルです!シル挨拶してね?」


「ワン!」


「シルは初参加なので優しくしてくださいね?


では30分後に開催しますので・・・」




ヴァイスはトキの指示で相談室と愛護部屋を


開催する事を住民に告げた。


トキ達は孤児院へと入っていく。




「なあトキ?何故今開くんだ?


子供達の探索しなけりゃいけないだろ?」


「ガデル…俺が開いた理由はな?


べラムの情報収集も含めてんだよ…


ガデルはフィルの相談室で仕事しろよ?」


「・・・なるほどな…分かった」


「ヴァイスとアーニアはルティの愛護部屋な?」


「了解です先生!」


「分かったよトキ!」




トキはシルド達だけではなく住民からの


情報を集めようと画策していた。


暫くべラムに居なかったから変化がある筈。


小さな変化も見付けれる様に開いた。




シルドの子供達は孤児院に残ってる


子供達の所に向かわせた。


護衛にブラッドを連れて行かせてる。




応接室についてトキが自分でお茶とお茶請けを


ストレージから用意して全員に配った。


現在応接室にいるのは、


トキ、東、美波、西尾、シルド、マール、


先程の男女に落ち着きのある男女。合計10人。


流石に椅子が足りなかったので椅子を出して


座らしている。


メリルとウォルはルティの愛護部屋に向かった。




「さてまず自己紹介をやらないとな?


じゃないと話が進まないだろ?


ん?シルお前はルティと一緒に居ないと駄目だろ?」


「ワウゥ…」


「仕方無いな・・・仕事が始まるまでだぞ?」


「ワン!」


トキがシルを抱えて膝の上に座らせた。


トキの座ってるのはソファーではなくロッキングチェア。


人が多いのと座りたかったから出して座ってる。




「トキ?新しい魔物か?シルとシルド…似てるよな?」


「似てるよな?俺もさっき気づいた…


こいつはシルバ!ミックスケルベロスと


フェンリルの子供の1人。略称がシルな!


多分毛色でフェンリルだと思うんだが…


魔物にハーフっているのか?」


「ミックスケルベロスって言えば


スーサイドのボスの一匹じゃないか!?


しかも奥さんいて子供の一匹?


お前スーサイドで何やらかしたんだ?」




「失敬だな?依頼こなしただけだぞ?


ヒュドラ倒して、野菜のゴースト達倒して、


アマゾネスを仲間にしたぐらいだぞ?


シルの親は昔から仲間だしな?」


「ヒュドラが居たのか?」


「ん?冒険者ギルドから話が出てないのか?


ヒュドラが2体いて一体はヴァイス達が倒して


もう一体は俺1人で倒したぞ?」




シルド達は唖然としていた。


東達は驚いてるのが何故なのか知りたかった。


空想の生物とは知ってるが


どのくらい強いのか知りたかった。




「斗鬼君?ヒュドラって強いの?」


「美波は知らないのか?って事は東と西尾もだな?


多分召喚された時に聞いたかも知れないが


どうせだから一般常識を復習しよう!


この世界はエクサクロスと差界ディストがある。


今いるのがエクサクロスな?


エクサクロスは文明、魔物や地域の危険度が


差界に比べて低いらしい。


エクサクロスの危険度ランクはF~SSSまで。


差界だとSSSの上のXとなりXXXが最大らしいが


実際は行かないと分からないらしいぞ?


危険過ぎてXの数が増えていくからXXXで


止めてるらしい」




「ギルドは冒険者、商業、テイマー、錬金術がある。


錬金術は理科と思った方が分かりやすいだろう。


商業ギルドにヴァイスが登録している。


フィルとルティのプロデュースの為にな?


良心的な値段だが結構稼がせて貰ってる。


因みにシルド達の仲間にメリルっているんだが


ルティファンクラブの1人だからな?


人脈が増えるとヴァイスが話してたな…」


「ヴァイス君って11歳よね?


経営者として実力あるわよね?


何故冒険者なんて危険な仕事してるの?」




「本人曰く俺から学びたいかららしい…


魔法の危険性と利便性教えたら先生と呼ばれた。


そっからだな…ずっと先生呼びしてんのはな?


ヴァイスは冒険者と同時に貴族だからな?


本名はヴァイス=クリプス。


この街を統治してるスーサ=クリプス辺境伯の息子。


幼い頃から経営術学んで


べラムの統治経営に口出してたらしい。


武芸も天才肌で直ぐに覚えるそうだ!


なんでも俺が来るまでべラムでは有名らしくて


『天才のヴァイス』と呼ばれていたらしい」




「言っておくがヴァイスはライトノベルの主人公として


素質がある逸材でな?


祖父が冒険者をしていて息子に地位を与えた理由が


めんどくさいからだそうだ。


しかも姉が居て嫁いでるが武闘派の夫人。


最初の第一印象が『顎砕き』だからな?


ニバルに侵攻してきた反乱軍の大半を


アッパーカットで顎を砕いてる…


正直良く結婚出来たなと思ってるよ…


今は白髪だが俺と一緒にいる前は金髪だった。


スーサイドでの経験で変化してな?


今では俺の生徒な訳よ!


ついでにシスコン気味で姉もブラコン気味で


そのせいで引きこもりかけたらしいぞ?」




「・・・ヴァイス君って凄いわね?


小説の主人公としては設定が濃いわよ?


主人公の素質あるの分かるわ!」


「美波も読んだりするのか?」


「そりゃ高校生だったのよ?


好きな小説は「ワォゥゥン!」よ?」


「トキ君?今のって…」


「西尾、良く気づいたな!


伏せ字とピー音代わりの雄叫びだ!


著作権にうるさい世界らしくてな?


まとも作品名話すと誰かが雄叫び上げる!


だから気をつけろよ?抽象的に話さないと


さっきの雄叫びが聞こえだすからな?」


「ワン!」




シルが自慢げに吠える。


・・・もうすぐヴァイス来るよな?・・・


シルド達はまだ呆然としてるし…


一般常識を続けるか…




「話が脱線したから戻すな?


冒険者ランクはG~SSS。魔物と地域と一緒だが


Gランクは街の清掃や整理などの低報酬で


小遣い稼ぎをしている人達が多いから


誰でも出来るアルバイトみたいなものだ。


テイマーは言葉通り魔物を育成し戦わせる者。


飼育してる魔物を登録しないと討伐されるからな?


俺の魔物は全員首輪してるだろ?


飾りつきの首輪はテイムされていると考えれば


良いだろうな!シル見せてやれ!」


「ワン!」




シルが右前足を使い飾りを見せた。


俺が良くできたと誉めて撫でると


嬉しそうにしている。


そんな仕草を見て美波は「可愛い…」と呟いた。




まだシルド達が戻らないから


復習を再開する事にした・・・

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