クランー2

「よお!シルド!元気か?・・・っていくと思うか?


説明してくれるんだろうな?


俺の孤児院にバリケード作って


侵入者扱いしたんだからな?聞かせて貰うぞ?」




トキは最初久しぶりに再会するシルドに陽気に


挨拶したが侵入者扱いされたことに苛つきを


募らせていてシルドに怒気を向けた・・・




「俺の息子が済まないことをした…1ヶ月前から


お前からの依頼を受けたって人間が多数来てな?


色んな物を持っていくんだ…お金や人をな…


理由聞いたら必要だからとしか言わなくてな…


今では子供が60人しか居ないんだよ…俺はな?


最初は嘘だと思っていたんだがある集団の中に


お前が居たんだ…


遠目からでしか見れなかったがそいつが


子供や金を馬車に乗せて連れ去っていった…」




「その後の子供達から暫く連絡が無くてな…


冒険者ギルドでも数日間、他所でも仕事してないと


ハリーから聞いたんだ…


これはおかしいと思っていたら・・・」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


7日前・・・


トキの家の応接室でシルド達が相談を受けていた。




「最近おかしいんですよ!


依頼を手伝って貰うからと子供達が連れていかれて


子供達が稼いだお金まで持ってかれるんですよ…


トキ先生がそんな事する筈が無いのに…」




「確かにな…お金使ってるところ見ないからな…


トキは今スーサイドにいるだろ?


危険度ランクSSの森に子供連れていくか?


・・・ヴァイスは別物だけどな?」




「ヴァイスさんは一番弟子ですからね!


自分から付いていきますからね?


だから先生の偽物現れた時は驚きましたよ!


トキ先生の姿を似せてるだけで


声なんて違いましたからね?


僕達は集団に脅されて何も言えずに


仲間を連れてかれましたから…」




「俺も驚いたよ…遠目からだが似せてるからな…


済まなかったな…助けられなくて…


追いかけて追跡しようとしたんだが


思っていたより早く外に運ばれたからな…」




「馬車と人では仕方無いですよ…


先生じゃないんですから追い付きませんよ!


お願いしていた子供達のギルドでの活動は


どうでしたか?」




「・・・ハリーギルド長から聞いたが…


他所でも活動はしてないらしい…


行方も分からないらしい…」




「そう…ですか…大丈夫なんでしょうか…」




応接室に沈黙が漂い始めた。


コンコンコン…


ノックの音に返事をして入らせるシルド。


「すいません…役人の方が来られて


訳の分からない事を言ってるんですけど・・・」




「役人?クリプス辺境伯からか?」


「違うとしか言われなくて・・・」


「俺が対応するから案内してくれ!」




受付の仕事していた子供から報告受けて


シルド達が入口へと向かった。


入口に着くとスーツを着た3人組が待っていた。


一人は肥えた体でハンカチで顔を拭いている。


後の二人は護衛なのか剣を帯びていた。




「貴方がここの経営者ですかな?」


「代理人だが何のようだ?」


「ちっ…えっとですね…


この建物を徴収する事になりましたので!」


「ん?何を言ってるんだ?」


「これだから冒険者風情は!耳が悪いのですか?


ここは私達の上司が使うと言ってるんですよ!」




苛立ちながら肥えた役人が急ぎなから話す。




「ん?さっきと違いますよね?


徴収と使用は違いますよね?」


マールが話を聞き返した。




「この件はクリプス辺境伯からの話ですか?」


「そうだ!クリプス辺境伯からの命令だ!


だから大人しく・・・」


「だったらそれはおかしいですね?


辺境伯の子供の家でもあるんですよ?


それを徴収するなんておかしいですよね?」




「それは・・・辺境伯の子供が売りたいと…」


「その子供の名前を教えてもらえますか?」


「ふん!ゾラム侯爵に嫁いだアイサ様だ!


遠くにある家は売りたいと申し伝えあってな!」


「・・・メリル?クリプス辺境伯の家から


アイサ様連れてきてくれる?」


「わっかりました~!」


「!?」


「何を驚いてるんですか?アイサ様からでしょう?


なんで実家に戻ってると知らないのですか?」


「そ…それは・・・」


「シルド?この人達怪しいから警備隊に・・・」




警備隊の名前を出すとニヤニヤし始めた役人。




「あれ?呼ばないのですかな?


この書類を預かってるんですがね?」




役人がマールに開いた巻物を見せた。


中身はクルス隊長の名前でサインをされていた。




「警備隊も了承してる案件なんですよね?


だから早く渡しなさい!」


「ウォル?クルス隊長を庭から連れてきてくれる?」


「了解!」


「!?」


「何をまた驚いてるんですか?居ますよ?


今日は子供達の鍛練の日なのでね?」


「ば、馬鹿な!情報が合ってない・・・」


「マールさん?どうかしましたか?」


「クルス隊長?この方達知ってますか?」


「ん?誰ですか?べラムで見ないですね?」




クルス隊長が現れて知らないと断言されて


あたふた始める役人。




「・・・お前達!この孤児院を確保しろ!


邪魔する者は殺してしまえ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「・・・なんて事あったりしてな…


それからずっと知らん奴が来るんだ…


夜には火を付けに忍び込んだりしてな?


昨日集団戦闘まで発展したからバリケードが


ついてるままな訳よ!」




「・・・その役人は?」


「逃げられた…他に仲間を数十人連れてたみたいでな…」


「・・・捕まえた奴いるのか?」


「全員舌噛んで死んだよ…


調べると奴隷の首輪を着けていた…


事前に命令されてたんだろうな…」




「・・・クルスは言わなかったな?」


「あいつが担当したのはその時だけだ…


部下から話を通して貰ったつもりなんだがな…」


「・・・なるほどな?理由は分かった…


それで?子供達は見つかったのか?」


「まだ見つかってない…活動も報告されてない…」




「・・・シルド?これってさ?嫌がらせだよな?」


「嫌がらせだな…トキの名を騙った詐欺と人拐い、


家を壊そうとしたからな?」


「子供達が最初に連れ去られたのは何時だ?」


「言ったろ?1ヶ月前から起きてるとな?


子供達は気付いてたが間借りしてる子供達だから


狩りに言ってると思っていたらしい…


完全に気づいたのは20日前だな…


孤児院に暮らしてる子供が路地裏で連れ去られたと


情報聞いてから調べ始めた…」




「これってさ?反乱軍絡んでると思うか?」


「どうだろうな?俺達はこれがあったから


拠点を作らなかった!」


「なるほどねぇ・・・有名になると厄介だな…」




トキは苛立ち始める。


有名なせいで起きた事件なのか、反乱軍絡みなのか、


違う事件に巻き込まれたか分からなかったから。


思わぬ伏線があるかもしれないのがこの世界だ!


頭の良い子供を連れ去っただけなのか。


俺への嫌がらせとして始めてるのか。


冒険者としての実力持つ子供をほしがったか。


色々絡んでる気がする・・・




「ここ1ヶ月で情報無いのか?


べラムだけで新しく出来た場所とかあるか?」




トキは小説とかでありそうな誘拐事件の


発端について考えながら質問する。


・・・反乱軍だけが異世界じゃ無いよな?・・・

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