スーサイド再びー21

アマゾネスの一件が終わり次の日。


全員が朝食終えて外に敷物を敷いて


丸いちゃぶ台を出して集まっている。


各自が自由に座っている。


「さて朝になったから話を進めるぞ!全員いるかな?


ヴァイス、ガデル、アーニア、フィル、ルティ、


ブラッド、ケル、シル…は当たり前にいるんだな?」


「ワン!」


ケルの隣にシルが座っている。




「ケル?許可したのか?ルミスも一緒にか?」


「「「ウォォン!」」」


「外に出ても大丈夫なので


試して見て下さいと言ってます!主殿!」


「ん!そうか…ならシルは会議の後でな?」


「ワン!」


「リケラは戻って来たばかりだから寝ている。


アーニアが沈ませた山があれだな!」


トキが指差すとピクッと動いて寝ている。


「トキ?前より大きくなってるんだけど?」


「進化して1km超えたからな!


今は岩竜じゃなくて溶岩竜になったから!」


「・・・森のボスが進化するのね…」


アーニアは呆けてしまった。




「さて話を戻すがガデル?危険度の調査どうなった?」


「ん~・・・全部は見れてないな…


山と向こう側の森にアマゾネスが住む森は


1ヶ月では行けなかったな…


ヴァイス君やリケラ達と動いて確認してたがな?


変わりはしないだろうな!


最低でも危険度ランクSSに変わりないぞ!


強力な魔物と擬態する肉食植物、


地域によって異なる環境に生息地…


よくこんな場所で生きてたな?」


「頑張ったとしか言えないな?


じゃないと俺ここに居ないし?生きてないし?


お前らとも会ってないからな?


ただそのせいで身体能力制限しないと


いけないのはきついがな…


いっそ防具に組み込むかな・・・


刻印入れて身体能力制限してさ?


指輪とか腕輪とかやってみるか!


ガデルとアーニアはべラムに戻る前に普通の木で


確認しとけよ?じゃないと化物扱いだからな?


スーサイドで1ヶ月以上いたからな?


じゃないと走っただけで馬車飛ぶからな?


実例と被害者が此処にいるからな?」


「先生?出していい例では無いですよ?


あの時恐くて意識を失ってたから良かったですけど


下手したらそのまま死んでますからね?」


「だから謝ったろうが!という訳で試すようにな?」


「何がという訳でなんだよ?まぁ人とか動物よりは


木の方が分かるか…」


「私も行って良いのか?アマゾネスだし…


スーサイドで暮らしていたんだよ?


族長でもあるから誰にするか・・・」


「来ないとこっちが困るからな?


依頼が解決出来ないしマーラから頼まれてるからな?


族長の件は大丈夫と言ってたし


外の世界を見に行かせてくれと言われてる。」


「分かった!付いてくよ!」


・・・話の半分嘘だがな・・・


こそっ「ガデルさん?あれ嘘入ってますよね?」


こそっ「じゃないと依頼達成出来ないだろ?」


こそっ「そう言うことですか!分かりました!」


・・・うん!聞こえてる!・・・




「という訳で依頼は全て完了したから


べラムに戻ろうと思うが何かあるか?」


「先生?魔物は誰を登録するんですか?」


「もうね!自重しないからさ!


リケラとケルとルミスを登録させて


スーサイドにて守護して貰う!


ヴァイスが居れば大義名分になるだろ?」


「まぁ…なりますね!自分で言いましたし…


責任は持ちますよ!


シルは戦闘見てからですか?」


「そうだな!そのつもりだし?


あとはレド達も来たいなら俺のテストを


受けてからだな!


躾と技術、体力の実技テストを行う!


じゃないとな・・・いくら自重しなくても


人に被害与えたら駄目だろ?」


「先生の言葉に重みがありますね?


僕が被害者だから言えますけどね…」


「・・・根に持つな?ヴァイス?


あとはアーニアは男見ても飼育しようとするなよ?


スーサイドの生活と人の世界は違うと思えよ?


じゃないと悪人認定されて討伐されるぞ?」


「分かった!極力我慢する!」


「・・・怖い話を平然とするなよ…」


「キュゥ…」「ですね…」「ウォゥ…」「同意」


「ワン!」




「一体だけ違う意見が出たけど気にしないからな?


さて他に何かあるか?


ヒュドラは丸々残ってるし、ゴーストは鎌がある!


アーニアもいるし大丈夫だと思うが…」


「主殿?帰りは歩きですか?」


「そりゃそうだろ!リケラ持って飛べるか?」


「無理ですね!もう少し改造しないと・・・」


「フィル?改造って言ったか今!?」


「え?馬車を改造したらの意味ですけど?」


「・・・すまん…流してくれ…」


「いや、馬車改造しても無理だろ?」


「だったら肉体改造して…」


「ガ・デ・ルゥ?ボケを作らすなよ?


お前は突っ込み要員なんだからな?


じゃないと本気で進まないからな?土下座するぞ?


あと、フィルはこれ以上改造するなよ?」


「すまなかった…反省してるよ…」


「これ以上は分かりませんが・・・


分かりました!主殿!」


俺達の中でアーニアだけは土下座を知らずに


首を傾げていた。


どうやら土下座は共有脅し文句として使える。




「では他には?」


全員が考えてるが答えなかった。


「沈黙は無いと判断するからな?


ではこの後に外に出る為のテストを行う!


ケルはフィルと共に全員に言ってきてくれ!


出発は明日朝を予定してるからな?理解したか?


では1時間後にケルとルミス、シルとその他の


テストを始めるからな?」


「一応、ケルとルミス達もするんだな?」


「言ったろ?実技テストをするとな?


躾が一番大事なんだよ!」


「問題ないだろ?まぁやらないよりは良いか…」


トキの言葉に納得して引いたガデル。


「じゃあ!解散しようか!」


トキの言葉に各自が机から離れていく。


シルはルティと残って作戦会議していた。


・・・愛嬌練習かな?・・・


ルティコーチの元でシルが特訓していた。


途中からボクシング始めたので突っ込まずに


机をストレージに戻して移動した。




アーニアはルティ達と残ってる。


ケルとフィルは一緒に行動している。


ブラッドとガデル、ヴァイスは俺といる。


アーニアに使った技の伝授していた。


「まさか俺の技真似するとはな?


しかも蓮華を三蓮華に改良するとはな?」


「体術しか出来なかったからな?


真似して本当は四蓮華にしたかったが


出来なかったよ!あれ難しいよな?」


「まあ体幹鍛えてないと出来ないし


相手が立ってないと出来ない!


あと平衡感覚養ってないと難しいんだがな…」


「先生!ブラッドに5回出来ました!」


「・・・流石天才だな…」


「落ち込むなよ…ヴァイスは小さいから


あんだけ回れたんだからな?


ヴァイスとブラッドもお疲れ様だな!


ブラッドにお礼を言っとけよ?」


「ブラッド!ありがとうね!


練習相手に付き合ってくれて!」


「受けた事のある相手は某だけですから。


ヴァイス殿は与える度に体幹がぶれて


衝撃が低くなってますよ!


あと、着地したあとに隙があるので


そこを気を付ければ大丈夫かと…」


「分かったよ!ブラッド!」


「凄いなブラッド…俺も練習相手してもらおうかな?


久しぶりに使いたい技あるし…」


「するのは良いが加減しろよ?


でどうだ?今の感覚は?」


「不思議だな…本当に立てない…


重心が移動できないからだな…」


ヴァイスはブラッドに五蓮華を試して


悪いところを教えてもらっていた。


ガデルは椅子に座りトキから額を指で押されて


動けない技術を学んでいた。




それぞれが時間を潰して1時間が経過する。


「さて集まったな!


居るのは・・・ケルとルミス、シルだけか


分かりきってた事だがでは始めるぞ!」


俺の前に3匹が並んでいる。


他の魔物達は残ってレド達の世話や


拠点の守護、作業するようだ。


「では最初のテスト!躾からだ!


一番重要だからな?採点が厳しいぞ?」


「ワン!」


シルが元気に声を上げてる隣でケルとルミスは


保護者として見守るようだ。


「では!シル?ヴァイスがあそこにいるから


行って戻って来い!真っ直ぐ戻れよ!」


ヴァイスが10m離れた場所で手を振ってる。


「ワン!」


元気よく走り出してヴァイスの元に向かい


ガデルやブラッドの妨害、短刀の鞘の攻撃と


好物の匂いに釣られそうになりながらも


反撃などせずに真っ直ぐ戻って来た。


「よし!偉いぞ!では次だ!


ヴァイスに噛みつくな!」


「ワゥ!?」


ヴァイスに走りかけた足を止めてトキを見ている。


暫くしても何も言われないので待っていた。


「よし、ちゃんと理解してたな!


言葉を理解してないと登録できないからな?


では最後に・・・愛嬌!!」


「ワゥ!?ワン!」


シルがルティに教わった愛嬌を見せて


可愛らしさをアピールしていた。


・・・練習してたからな・・・


なんとなく出来心でやらしたがやってのけるたシル。


「よし、ヴァイス!判定は?」


「合格です!ルティと並ぶ可愛さを持ってます!」


ヴァイスの言葉を受けてケルとルミスは


ホッとした。


「では、次のテストは技術と体力を合わせたテスト!


シルの今の実力見るからな?


では俺と対決しようか!」


「ワゥ…ワン!」


ケルとルミスは心配そうに見ている。


俺との戦いだからな・・・


「シルは何でも使えよ!


俺は防御とまれに反撃するから!


時間は10分で終了だ!分かったか?」


「ワン!」


元気よく叫ぶシル。


シルは子犬だがスーサイドの生まれだからな。


どこまでの実力あるか試す。


ケルとルミスの基準が甘かったら


ケルとルミスが八つ当たりを食らう。


「では始め!」


俺は懐中時計を片手に持ちながら


模擬戦闘を始めて・・・


「よし終わりだ!頑張ったな!」


「ワ…ワン…」


疲れきって小さな声しかでないシル。


・・・え?戦闘はどうだったか?


俺は避けたよ。10%の速度で。


正面から噛み付こうとするシルに左に


反復横飛びで元に戻りすり抜けたように見せた。


後ろから足を狙おうと突進してくるが


ジャンプして避ける。


噛みつき、引っ掻き、突進を一通り受けて


実力を理解して反撃に蹴り上げた。


残り10秒の時点で上空500mまで飛ばして


上手く受け身をとり衝撃を緩和させている。


地面から離れて落下する体験したら


疲れきるのは当たり前だろう。


俺は経験してるしな!


俺が蹴り上げた途端にケルとルミスは


上を見上げたまま固まってしまった。


未だに固まってるのでガデル達に


戻すようにお願いはしてある。


「子犬を蹴りあげるなよ!」


ガデルに言われたが気にしなかった。


ある意味でルティと同じ事をしているから。


ルティはヴァイスの上で頷いてる。


理解してるよ。怖いよね!と顔に出ていた。


ルティへとやらしたヴァイスはなんでしたの?


みたいな顔をして驚いてた。


それを見たルティがヴァイスの頭を叩いてる。




「さて…結果だが・・・」


何故か緊張が空間に漂っていた。


保護者とヴァイス達が緊張している。


「合格だ!頑張ったな!」


「ワン!」


俺は疲れきってるシルを抱き上げて


撫でて上げた。


こうして新たな愛護部屋の住民ができた。


俺達は最後にと宴会を開いて


明日に備えて寝ることにした。

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