スーサイド再びー17

賽子の出た目4。1ヶ月後に幻獣と会うと


信じて拠点へと戻ってから


俺達は1ヶ月が経った・・・




「都合良く見つかるなんて起きないよな!


1ヶ月後に見つかると考えていたのが馬鹿みたいだよ!


なあ?シル?ルティ?」


「ワン!」「キュイ!」


「ですね!流石に出たらどうしようかと思いましたよ!


この日が来るのをドキドキしながら


待ってましたが何も起きてないですね!」


現在トキ達はログハウスのリビングで寛いでいた。


ガデル達は外で鍛練中。


リケラは例の会議の為に離れている。




「なあ?ヴァイスはどう判断する?


反乱軍の今までの情報を共有してさ?


結構寝返っただろうからな?


クリプス辺境伯はどう動くと思う?」


「多分呼ばれるでしょうね…


内乱だから他国の軍に任せきりにはしないと…


多くのべラムの冒険者も雇われますよ?


内乱には確実に僕達は同行させられますね…


多分、2ヶ月後には確定しますね…


現王か反乱軍が治めるか…


そして王都に行く前に最後の決戦場として


王都の前にある平野に決まるでしょうね!」


「そっか…同行拒否出来ないよな・・・


なら腹くくるしかないよな!


俺も用があるし…ホウリョの件もある!


今回は魔物どれにする?」


「もの扱いは止めてくださいね?


この際スーサイドの危険度を見せるために


溶岩竜のリケラ、アシュラグリズリーのラグ、


ミックスケルベロスのケルは基本として


連れていった方が良いでしょうね!」


「まぁ、ラグはゾラム侯爵が連れてくるだろ?


護衛として残してるんだしな!


後は・・・「ワン!」・・・やはりか…


シル?今話してるのは戦場の話だぞ?


危険があるんだぞ?スーサイド程ではないが…


だからケルから許しを得たなら連れていってやる!


ルミスに言っておくがシルがルミスの


戦闘基準を達したら俺と軽く訓練して強さを見る。


それを見てケルが許したら良いだろう!


分かったか?」


「ワン!」タタタタタッ。


シルがケルとルミスの元に走っていった。




「良いんですか?そんな約束して?」


「まぁスーサイドの生活してるしな!


狩りもルミスやケルと同伴してしてるみたいだから


外に出ても死ぬことは無いだろうな!


子供だが俊敏な魔物でシルより大きい相手に


勝ってるらしいからな!


駄目なら補習で残って鍛練すれば良いだろ?」


「まぁそうなんですけどね…


シル以外はどうするんですか?」


「レド達か?来たい奴は鍛練したら良いだろ?


勝てるようになれば良いだけだしな!


死んでも俺は責任取らないし取れない。


自分が生きるか死ぬかの世界に他人が


突っ込んでいい世界ではないからな?


足の引っ張る仲間は要らん!


介錯ぐらいはしてやるけどな!」


「先生の考えはいつもシビアですね?


スーサイドの生活してたらそうなりますしね…


そういえばじい様見ないんですけど


何処に行ったんですか?」


「べラムに帰したぞ?


釣りするじいさんは鍛練に邪魔だからな!


何かあれば戻ってくるようには伝えてあるから


大丈夫だろ?幻獣の遺品も渡してるしな!」




今スーサイドの拠点にはトキ、ヴァイス、ガデル、


フィル、ルティ、ブラッド、ケルが居る。


ルミスや子供達は仲良く畑仕事している。


逃げる野菜を追いかけて遊んでいる。


「んじゃ、ヴァイス、ルティ!


ちょっくら外に出掛けるわ!


何かあれば魔法を空に撃てよ?


じゃないとヒュドラ戦の二の舞になるかもだからな?


いくら進化したり鍛練しても


死ぬ時は死ぬんだからな?


無駄な戦いはせずに討伐もしくは呼べ!」


「分かってます!あれは認識不足でしたから…


何かあれば呼びますね!


行ってらっしゃい!先生!」


「キュイ!」


「んじゃ任したからな?」


ヴァイスとルティはログハウスの中で


手を振りトキを送り出した。


トキはログハウスの扉を開けて外に出た・・・


明るい光に包まれて抜け出すトキ。






「・・・注意を促した本人に対する嫌がらせか?


午前の光景これで何度目だよ・・・


無限ループする夢か…明らかに攻撃されてるよな?


やはり外でハンモック作って寝なけりゃ良かった…


さてと・・・全耐性ONにして覚めるとしますかね…」


トキは現在スーサイドの拠点から橋を渡り


反対側の森奥で幻獣を調べて


何も無かったので木上でハンモックを作り寝ていた。


だがいつもは見ない夢を何度も見ていた。


地球でもループする夢は見た事がある。


その度に違う行動するが同じ結末を見せる。


今見てるのはトキが経験する夢ではなく


経験し客観的に見せられてる夢。


行動を起こすもすり抜けてしまい


トキが扉から出ると最初の会話に戻る。


トキは寝るときは睡眠耐性をOFFにしている。


出ないと寝ることが出来ないからだ。


トキはONにして夢のトキが扉から出ると


空間が歪み黒色の闇が周囲を包む。


闇に包まれてから目を瞑る。


暫くしてトキは現実へと目を覚ました。


目の前には木天井の部屋で体は紐で固定されていた。


部屋の外には複数の生き物の気配を感じる。




「・・・なに?この厄介な状況は?


直立で体を覆うように巻かれてるな?


蜘蛛?違うな…あれは全身を覆わせて


窒息しさせる捕まえかたをするから…」


「・・・」「・・・」「・・・」


「見えないがここに来て人が現れたかな?


話し声聞こえるし10mの高さある場所に


気づくなんてそういないしな?


カモフラージュしてたのに・・・


装備関係無くなってるな…取られたかな?」


拘束中だが問題ない考えてと呟いていた。




「よく考えたら居ないわけ無いんだよな?


広いから会わないだけで魔物や肉食植物だけって


思い込みしてたからな…


あれかな?ニバルのレンジャーみたいな人達か


森の原住民か何かかな?


ここに来て森の民か・・・遅いよな?


住む範囲が違うから会わなかったのか?


激しい流れの川に橋作る馬鹿は俺だけだしな?


ヴァルを戻す前に聞いとけば良かった…


でも無理かな?橋無いと反対側の森行けないし


あそこも領地として考えてるのかも分からないからな…


とりあえず無駄な駄弁りは終えて・・・よし切れた!


ファントムをシックルに改造して良かったな!


魔法阻害を部屋に施してるけど


許容範囲超えると使えなくなるからな?


俺には意味がない代物だよな?


姿はズボンのみか…鍛えられた体してないから


恥ずかしいんだよな…


脱線したな…現状把握はしておかないとな?


俺は川の向こうの森で寝ていて捕まった。


魔法阻害の部屋に閉じ込められていた。


パン1で全身固定されていた。


部屋の外には何人かの声が聞こえる。


今持ってる武器はファントムシックルのみ。


・・・勝てるな!制圧できる気がするわ!


今の時刻は…13時48分。


2時間近く捕まったか寝てたかだな?


では、交渉人として制圧しますかね!」


トキは部屋の扉を開けると


リビングらしき部屋に数人の人がいた。


全員が女性。褐色の肌に紋様を塗っている。


・・・あれ?ここに来て?まさかね・・・




トキが武器を持ち部屋から出たのを見て


臨戦態勢をとる女性達。


拳を構えてトキを見据えている


「あぁ、ちょっと待ってくれ!落ち着いてくれよな?」


「なら武器を置け!どうやって出れた?


どこから武器を出した?


私達の領域で寝てるとはな?


男の癖に生意気な生き物だな!」


「生意気なのは理解してるから待ってくれ!


武器を置くからその上から目線をやめてくれないか?」


「何故下の物に配慮せないかんのだ!


お前からは美しさが感じられない!


弱いだろ?そんな貧弱な体だから


武器を隠して持っていた!この卑怯者が!!」


ピキ・・・


「私が調べたのに武器持って反抗なんて…


折角久しぶりに飼育動物として


飼ってあげる予定だったのに…


これは躾ないと駄目ね?


対等と思ってるからいけないわ!


名前を呼べば足に即すがり付く様にね?」


ピキピキ・・・


・・・奴隷宣告されてるよな?・・・


俺は怒らないように武器を床においた。




「此で問題ないだろ?」


「大有りだ!話をするなら許可をとれ!


これだから男は駄目なんだ!


現状知らないで武器持てば勝てるとか


逃げれるとか思って…下らない生き物だよ!」


ピキピキピキ・・・


「姉さん?こいつ反抗したから手足落として


繁殖用だけの玩具にしない?


ほら、私達他部族に比べて数少ないでしょ?


そろそろ子供作らないと駄目よね?


どうやって作るのか忘れてないか心配だわ?」


「大丈夫よ?立てて突っ込んで出させば終わり!


ね?簡単でしょ?ここで実演しても良いけど


周りの仲間にも回してあげないといけないわね!


あぁ、あんたに拒否権無いからね?ペットだから!


嬉しいでしょ?美人と出来るんだから!」


・・・下ネタかな・・・




「あのぅ…良いでしょうか?」


「勝手に喋るな!私達が良いと言うまでは喋るな屑!


教育がなってないわね?


あっそっか!頭悪いから仕方ないわよね?


ごめんなさいね?だから捕まるのよね?馬鹿だから!」


「姉さん?言い過ぎよ?


本当の事でもね?あんな場所に寝てるなんて


態と捕まりたいのかと思ってたけどね?


警戒して損したわよ?


武器持って勝てると思ってるからね?


弱者の考えは全員が同じ考えだもの!


結末は同じく処分か飼育かだけどね?キャハハハ!」


・・・イライラするな・・・




「姉様?ペットが怒ってますよ?


怖い顔してどうやったら出来るのかしら?


こんな風にかしらね?」


「メリハ!真似しないの!頭悪いから仕方ないのよ?


自分がズボンのみなのに勝てると思ってる馬鹿だから!


イアに頼んでもう一度寝かしましょうね?


夢の中なら痛みに気付かれないし


起きたら体の膝、肘だけでまともに歩けない!


良いわね!マーラ?呼んできてくれるかしら!


早くしとかないと処分しないといけないから!」


「分かったわ!姉さん!イアを呼んで来るわね?


ペットは部屋に戻りなさい!


命令聞けないなら躾を今から行うけどね?


キャハハハ!楽しみだわ!早く呼ばないと!」


マーラと呼ばれる女性は家から出ていく。




「ほら、早く戻りなさい!


私が寛大なうちにね?じゃないと力付くで


部屋に戻すわよ?抵抗は出来ないと思いなさい!


ほら、なんで黙ってるのよ?何か喋りなさい!


なんのために口があると思ってるの?


悲鳴あげるだけの口じゃないんだからね?」


「姉様?ペットが震えてるわよ?


悔しいのかしら?言われるだけで何も出来ない


自分に腹が立って苛ついてるのかしら?


私達が喋らせないから喋れないなんて


可哀想にね?大丈夫よ?


後で似合う首輪を見繕ってあげるからね?


それを喜んで着けて愛嬌振る舞ってね?」


残りの2人が上から目線で命令と同情する。


・・・もう良いよな?・・・


「では、部屋に戻る前に喋らせて頂きますが


よろしいでしょうか?」


「あら?物覚えが良いのね?良いわよ!


何でも話なさい!聞くかは別としてもね?」


「姉様?聞いてあげないと・・・


最後の自尊心からの言葉は聞かないと


後が楽しめないと思います!」


「そうね、メリハ!


ほら、早く喋りなさい!のろまなんだから!


最後の言葉を流してあげるから感謝しなさい!」


・・・聞く気無しね・・・


・・・あれかな?女尊男卑の地域かな?・・・


「では、改めてトキと言います!


ええ今回はお招き頂き有難うございます!」


「あら、礼儀正しいのね?」


「姉様?手足落とされたくないから


敬語使ってるのよ?意味ないのにね?」


「そうなの?変わらないのにね?」


二人は笑いだした。


「笑顔の所、恐縮なのですが・・・


この部族潰させて頂きます!


覚悟を決めてくださいね?


手荒な真似はしたくなかったのですが・・・


無理だよなあ?馬鹿だからなあ?ああ!!」


トキは女性達の態度に激怒して宣戦布告した。

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