スーサイド再びー16

トキ達は野菜戦争を経験してから回収するものは


回収して拠点へと戻っている最中。


「先生は、なにも感じないんですか?


あの野菜達の努力と勝利を!


そしてあの幻想的な空間についても!」


「ウォン!」


ヴァイス達はトキの野菜達に対する言動に


態度に文句を言っていた。




「ヴァイス?ケル?お前らは分かってないな?


あれは食材だ!下処理して何が悪い?


野菜戦争していた食材はなんだった?


大根、人参、きゅうり、ニンニク、蓮根、パンプキン。


最後の出汁は魔物の皮の匂いで駄目だったがな?


俺にとってはこの世界が幻想的な空間なんだよ!


俺のいた世界にはな?魔法無いんだよ!


魔物もいないし、野菜は戦わない!逃げもしない!


召喚されないし、進化もしない、喋る幻獣はいない、


夢と想像だけだったんだからな?そんなものは!


後な?ヴァイス?お前忘れてないか?これは依頼だぞ?


スーサイドの幻獣討伐と危険度調査だぞ?


存在する幻獣は討伐しないといけないからな?


まさかあれを見逃せと?野菜なら良かったがな?


あれ…ゴーストだぞ?浄化出来たしな!」


「え?あれもゴースト何ですか?」


「ウォ?」


ヴァイス達は驚いていた。


感情移入して倒そうとしなかったから。




「お前らさ?うちの野菜見てるだろ?


走って、跳んで、泳いで、飛んで、逃げる、


最後は食われるだぞ?まぁ、当たり前なんだがな…


その中に1m超える奴いたか?


うちの野菜にそんな化け物野菜はいません!


良くて50cmだろ?育つ奴は!


そしてほとんど逃げる前に自分から


美味しくなったよ!って魔物の口に飛び込むんだぞ?


そんな不思議野菜しか育ってません!


そんな奴等が戦える技術持ってる訳が無いだろ?」


「まぁそうですね…居るわけ無いですよね…」


「だろ?いたら魔物の口に入らないからな!


依頼も終わりで良いんじゃないか?


ヒュドラにゴースト達の討伐終わったし


ヴァルが居れば危険度ランクSS変わり無しと


出来るだろ?この際だからリケラ達も登録して


森を管理させてるって言えば納得するだろ?


まぁ俺の領土となる可能性高いがな・・・」


「先生?自分発信で落ち込まないでくださいよ!


領土については大丈夫だと思いますけどね?」


「何でだ?」


ヴァイスの言葉に聞き返す。




「先生の隣に誰がいますか?」


「ん?ヴァイスとケルだろ?」


「ウォン?」


「そうですね。では僕の父親は?」


「スーサ=クリプス辺境伯だろ?」


「そうです!僕の祖父は?」


「ヴァルカ=クリプスだろ?冒険者のな?


・・・おまえ…まさか?」


「分かりましたか!流石先生ですね!


そうです!僕が居れば先生に領土の話は来ませんよ!


だって僕の受け継ぐ領地ですからね!


僕を理由に逃げれますよ!


最悪、じい様の名前を出せば説得出来ますよ?


冒険者ランクSSらしいですから!」


「あのじいさんランクSSなのか!?


前に聞いたときはランクAのS間近とか言ってたが


聞いてたより上がってないか?


実力は予想通りだったが…」


「貢献度の高さですかね?


6年前から頑張ってたみたいですからね?


特別依頼を王国の依頼で2年間したらしいですよ?


依頼終えてからべラムに戻ってきたみたいですよ?


依頼内容は教えてくれませんでしたが…」


「そりゃそうだろ?王国って事は王族からの


依頼だからな?秘密にしないといかんだろ!


・・・ん?王族から依頼?


・・・なんとなく予想は出来るな…依頼内容が…」


「え!出来るんですか?先生凄いですよ?」


「ヴァイスもわかるぞ?合ってるか知らんがな!


俺のヒントから考えてみようか!


ヒント1、何故祖父が戻ってきたか?


ヒント2、今何が起きてるか?


ヒント3、何故祖父が俺達と居るか?


さあ考えてみよう!」


トキはヴァルの王国からの依頼を予想して


ヴァイスに答えさせる。




「何故祖父が戻ってきたか?は反乱が起きたから…


今何が起きてるか?は各地で反乱軍が侵攻してるから…


何故祖父が俺達と居るか?は・・・


べラムで反乱の心配が無くなったから?


共通するのは反乱軍・・・まさか先生!?」


ヴァイスは見えたようだな。


真実に繋がる道筋が。




「ヴァルの依頼内容が見えたか?」


「多分ですが…依頼内容が見えました…


合ってるか確認しても良いですか?


先生の答えと合ってるか?」


「あぁ、良いぞ!言ってみな!


言うのは無料だからな?


だがヴァル本人には聞くなよ?


巻き込まれるの確定だからな!」


「分かりました…ではいきますね?


簡単に言えば反乱軍についてですよね?


しかも先生に関係しているかもしれない!ですよね?


何故なら反乱軍に先生の知り合いがいるから!


スカイでしたか?いますよね?


後は王国は反乱軍の存在に気付いてたから


じい様に、いや…複数ですね?


多数の冒険者に依頼をしていて今も行ってる。


じい様は元べラムの統治者、貴族だから


先に完了してべラムに戻された…


反乱軍が来ても対処出来るように…」


ヴァイスは自分の考えをトキに告げる。




「そうだな…俺もそう思ってる…


反乱軍が予定より早めて反乱したから


一斉に動いた反乱軍に対処出来なかった…


ゾラム侯爵領も本来なら反乱される事はなかった。


王国が情報を上手く利用していればな?


しかし情報の整理に手間取ったのか侵攻された。


各地のギルドでも集めていただろうがな…


ニバルみたいな暗躍されたら意味がない…


さてこれからどうなるかな?


多分早めたのは俺達も関係してるだろうな…


孤児院の元家に隠れていた奴等が捕まったからな?


迷宮ホウリョを作り出してしまい情報が漏れた…


反乱軍の奴等が暗躍していたが表に出てしまった。


クリプス辺境伯は優秀な奴らしいからな?


噂になってたな…


スーサ殿だからべラムに平穏が訪れてるとな?」


「そんな噂知らないのですが…」


「フィル経由の魔物達からだな!


ラグの俺達の噂を知っていた件が有ったからな?


もしかして反乱軍関係の情報知ってるのかと


魔物達に聞いて回ったらな?出るわ出るわ!


そこらの諜報部隊より知ってるぞ?


今どんな状況かなんて詳細が知れたよ!


各国の事も知れたしな!


あいつら何処から得てるのか聞いたらな?


有名な場所のボス魔物、守護魔物が


月毎に裏会議して議題として挙がってるらしいぞ?


それを仲間内だけで情報共有しているそうだ!


魔物の生息地域内の動きと範囲認識としてな?


じゃないと弱い魔物の生息が出来なくなるらしい…


意外と理性的なんだよな…驚いたよ…」


「冒険者は知りたくない情報ですね?


まさか魔物内でもギルドみたいなモノがあるなんて…


もしかしてリケラがその会議に出てるんですか?」


「らしいぞ!用事がある場合の代理人はラグかケルだ!


凄いよな…俺らより出世してるからな?


後で俺たちでも共有しないといけない案件だから


早く幻獣討伐終わらせたいんだよな…


後、1体だろ?出てきてくれないかな?」


トキは魔物達の情報共有する知性があることを


ヴァイスに告げて反乱軍が本格的に


動き出す前にべラムに戻りたいと思っていた。




「そう簡単に出てきたら幻獣の意味ないですよ?


幻の獣ですからね?


しかも広いスーサイドの森で探さないでなんて


都合の良いこと起きないですよ!」


「いや、今まで都合の良いこと起きてたと


思ってるんだがな?


まぁ今回は猶予が残ってるしな!」


「猶予って反乱軍の動きだしのですか?」


「あぁ!最低2、3ヶ月後には動くそうだぞ?


侵攻して得た領地の統治がある程度進んでから


らしいからそのぐらいは掛かるだろうな!」


「それまでに見つかりますかね?」


「・・・賽子振って考えるか?


1は直ぐに見つかる、2は1週間後、3は2週間後、


4は1ヶ月、5は2ヶ月、6はギリギリとかで


運を賽子に任せようか!」


「都合良くて助かる方法ですね?


良くも悪くも賽子のせいにできますからね!


では振りますよ?」


ヴァイスはポケットからトキの仲間の証である


賽子を取り出した。


魔物達の分はトキが保管している。


基本白色で赤と黒の色付きの賽子。


ヴァイスはしゃがんで地面へと転がした。


タン!コロコロ・・・




「出た目は4ですね?」


「4なら1ヶ月だったか?」


「「「ウォン!」」」


「なら1ヶ月後に見つかると考えて


早く拠点へと戻りますかね!


1ヶ月ならガデルも慣れるだろうしな!


俺の朝練に耐えれる体に確実になるぞ?


スーサイドの森は危険度ランクSSだからな!


死ぬか生きるかの世界だから


死んだら運が悪かった、


実力が無かったと言うことで!


んじゃ!出発!」


トキ達は賽子の出た目を信じて拠点へと戻った。


それから1ヶ月後・・・

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