寝起き前イタズラ


【おまけ4】


テーマ【塩対応のくせに寝ている時は無防備の神の夏海なつみさんに千秋ちあき君が寝起き前イタズラしちゃうぞ】





おはようございます。茜です。今はすっぴんで彼シャツを着ているので見た目は千秋君です。昨日散々【千秋君責め】をされたので完全に自分の一部として受け入れました。むしろ千秋君モードも積極的に使いこなそうと思います。【積極的にせよ】とおみくじにも書いてありました。


間もなく朝のようですがギリまだ薄暗い時間です。今日は休日なので何時まで寝ていても大丈夫ですが私はかなり早めに目が覚めました。



なぜなら。隣に可愛いのが寝ているからです。



今日は寝起きドッキリ。いや。【塩対応のくせに寝ている時は無防備の神の夏海さんに千秋君が寝起き前イタズラしちゃうぞ】の様子をお送りします。差し支えなければサイレントモードのご協力をお願いします。多少騒いでも起きないような気もしますが一応。念のため。そしてなにより気分を盛り上げるため。そんな感じでより楽しくお送り出来るように暖かいご協力よろしくお願いします。


はい。この可愛いのはまだ起きません。相変わらずの神っぷりです。もちろん。この可愛いの=無防備の神こと私の彼氏の夏海さんです。


昨日。極めてプライベートな理由から寝落ちした夏海さんはまだぐっすりスヤスヤ寝ています。


警戒心が欠損しています。


おそらく野良猫なら他人の気配だけで97回は目を覚まして、こねこねされたあたりで完全に逃げ出すレベルですが神ってる夏海さんは少しくらいこねこねしてもスリスリしてもぎゅうしてもナデナデしてもチューしても起きません。


ちなみに。先程。睡眠状況の確認のため強めにこねこねしても起きませんでした。


無防備過ぎて射ったり狩ったりは狩人のプライド的な問題で致しかねますが【可愛いイタズラ】くらいなら許されると思います。


とりあえず背中に油性ペンで、中にあんこが入ったパンを擬人化した国民的ヒーローの絵でも書いてやろうかと思いましたが私は残念ながら現在油性ペンを持っていません。もし油性ペンを持っていたら書き込んだ擬人化あんこパンヒーローの絵の隣にでも「茜さんの彼氏」とか「千秋君大好き」とか「神様」とか色々書き込みたかったのですが残念ながら油性ペンを持っていません。


次回は抜かりなく持参します。お約束します。


「夏海さーん。早く起きないとイタズラしちゃいますよーぼちぼちハロウィンですよー」


チマチマした事はしません。サイレントモードとか意味無かったです。正々堂々と宣言して少しだけ頭を撫でてみても起きません。爆睡。可愛いです。


とりあえず。夏海さんの前髪をピョンと一つに結ってみました。その辺に落ちてた輪ゴムで。部屋に輪ゴムとか落ちてる感じが本当にリアルにダメな困った人です。髪ゴムではなく輪ゴムでごめんなさい。私は髪は長くないので髪ゴム持っていませんでした。なので輪ゴムで代用しました。次はきちんと髪ゴムを持参する事をお約束します。ついでにヘアピン等も持参することをお約束します。


普通ゆるダラで死ぬほど落ち着いた大人のくせに寝顔が妙に可愛い夏海さんが、ピョンと前髪一つに結われておでこが見えております。



…可愛い!!!!



あざとい勘違いをした思春期のモテる男子高校生みたいです。


もう【夏海さん】って感じを越えて【夏海君】って感じで前髪をピョンと一つに結われています。


世界一無防備に。


もちろん。撮りました。静止画も動画も。【無防備】とか【悲惨】とかそんなタイトルを付けたら賞を取れそうです。アンサイクロペディアにも使用出来るレベルの仕上がりです。


夏海さんのおでこ。ハァハァ。


とりあえず。でこちゅーしました。やっぱり神ってる夏海君は起きませんでした。


あまりエスカレートすると『可愛い』イタズラのラインを越えてしまいそうなので今からとりあえず二度寝します。起こさない程度に可愛い前髪をピョンピョンしながら。ついでに、こねこねしながら。


超幸せ!!!



間もなく早朝なのに。1日の中でも指折りの爽やかな時間帯なのに。その爽やかな感じをブチ壊すまだ少し薄暗い部屋のヤバい系の彼女です。


万が一。「無防備なおっさんマジ尊い」とか「もっとやれ全私が許可する」など世の中のニーズがありましたら定期的に【塩対応のくせに寝ている時は無防備の神の夏海君(夏海さん×→夏海君○)に千秋君が寝起き前イタズラしちゃうぞ】を配信したいと思います。ハァハァ。大変失礼いたしました。以上。千秋君モードの茜がお送りしました。







「眠い…」


眠い。けっこう寝た気がするけど普通にまだ眠い。年齢的な問題だろうか。二度寝するか。


…あ?なんか自分。可愛い彼女抱っこして寝てんな。いや。抱っこされてる?のか?


昨日可愛いくおねだりされたので貸してやった自分のシャツを着た可愛い彼女にぎゅうされてんな。自分が着てる時は「ヨレシャツ」で普通の感じなのにこいつが着ると「あえての古着感」みたいに異常におしゃれに見えるのがムカつくな。


つか。こっちを見てる。起きてんな。おはようございます。


「おはようございます夏海さん。まだ寝てて大丈夫ですよ?遠慮なく」


なでなで…


なに?なんか頭を撫でられた。おっさん。撫でられたよ。


…なんだコレ。寝起きに死ぬほど恥ずかしい感じ。年下の可愛い彼女に頭撫でられるとか。


「可愛いですよ?夏海君」


「ちょっと…なに?」


イケメンに口説かれた。普通に。夏海君ってなんだ。起きたら目の前にイケメンってどんなシチュエーションだよ?いや。イケメンじゃねーな。可愛いもんな。彼女だな。


「大好きです」


「…なんだよ」


イケメンに床ドンされた。床じゃないけど。いや。だからイケメンじゃねーな。死ぬほど可愛いもんな。2回目。こんなに可愛いのになぜか妙に完成度の高い床ドン。床じゃなく正確にはベッドだけど。


挑発的な表情。

威圧的な体勢。

犯罪的な距離。


なんだ。俺はこのままこいつに犯されんのか?と思うくらいのクオリティ。もうエロ同人誌の表紙もびっくりの仕上がりだった。


「こういう。羞恥プレイみたいなのは苦手なんですけどね」


「苦手な感じ皆無だな。完成度高いな。その才能が恐ろしい」


近ぇな。射られるのか?犯されるのか?


茜は普段はワクワクを隠さない無邪気な感じでまとわり付いてくるくせに時々ひどく凪いだ鋭い表情も見せるやがる。仕事モードの時みたいだ。これはあのムカつく獅子座のガキも騙されるわ。


「起きる前も可愛かったですけど、寝起きの夏海君を見てたらいっそう堪らなくなってきました。このまま犯されたくなかったら少し甘やかして下さい。甘えたい気分です。あ。まだ眠いですかね?むしろ私からぎゅーして良いですか?」


ほっこり系のお願いなのに意外と恐ろしい脅しがセットで付いて来た。


「…ほら。遠慮するな。お前の好きにしろ」


「夏海君大好きー!」


狩られた。

くっそ可愛い。


他の奴にはこんなに簡単には許可しないぞ?


ダメです。眠いから。そう言ってバッサリ切り捨てるべきだったか?最近なんか調子狂ってんな。彼女が可愛すぎて。


その可愛い彼女は特別な事をしなくてもストレートな言動が最初から最強だ。自分の平穏はこのどこまでもとにかく真っ直ぐな所に容易く射られてます。


ガキじゃないので。ポーカーフェイスくらいは出来る大人なので。実はこうしていとも簡単に精神的に狩られている事を可愛い狩人は気付いていないようだが教えてやるつもりはない。


大人の男として悔しいからというチマい理由で。おっさん。大人げないから。内緒。


ぎゅー


「な、夏海さん??」


「このまま大人しくしてろ」


こんなにグイグイ来るくせに。こっちからぎゅーしてやるとやけに初々しい反応が返ってくるのも正直堪らなく可愛い。ムカつくくらいに。前は自分のテリトリーの中に他人がいるだけで消耗したのに。今はもうこの可愛いのを自分のテリトリーの中に閉じ込めておきてぇなとか思ってるおっさんです。ま。これは別に隠す必要もないし。そのうち発表してやろうかと思ってるけど。


【夏海君発言】については単に千秋君って呼ばれた事への可愛い彼女の仕返しだと思って聞き流した。しかし狩人は常に狩人だった。日常的に手に弓矢持ってるのだ。大きな狩りを小さなフェイクの狩りで隠すような真似さえ出来るのだ。





自分の前髪があざとい勘違いした思春期のモテる男子高校生みたいになっている事にまったく気付かずに。しかも。しばらく気付かずに過ごしたおっさんだった。











「死にたい…」


「似合ってましたよ?夏海君」


寝ている間にあざとい勘違いした思春期のモテる男子高校生みたいな前髪にされてた事に気が付いたおっさんです。しかも輪ゴムで。この輪ゴムはどこから出てきたのだろうか。


夏海君とかそんな屈辱的な呼び方をされて。しかもそれにしばらく気付かずに過ごした。

ようやくイタズラに気付いて精神的に死にかけている。


「もう死んだと思っていた過去の記憶を無理矢理掘り起こされて犯された気分」


「あ。やっぱり夏海さん学生の時はモテモテでしたか?思春期の【夏海君】は前髪とか結ってました?それともヘアピンでとめてましたか?」


「古傷エグんなよ」




死にたい。




自分の過去を知らない若い彼女には、大人で落ち着いた自分だけをトリミングしてお知らせしたかったのに。


周りのテンション高くてウザい調子に乗った女子どもに『カワイー』とか『似合うー』とか言われヘアピンとか前髪に付けられても、めんどくさくてろくに抵抗もしなかった思春期のバカな男子高校生を葬り去りたい。その脱力系の態度のせいで学祭ではコスプレすら押し付けられたトラウマ黒歴史が思い出される。カワイーわけねぇだろ。似合うわけねぇだろ。ガキだった自分のバカ…

全力で抵抗しろよ。めんどくさくてわりと無抵抗だった当時の自分のバカ。

そして現在はおっさんのくせに未だに無防備な自分が一番バカ……


今思えばあんなウザい奴らは普通に殴り飛ばせば良かった。遠慮なく。全力で。


「ジェラシーです。中学生及び高校生だったモテモテの夏海君」


「いや。そんなモテなかった。聞くな。思い出したくない」


「学祭でコスプレとかしちゃいましたか?女装?それともビジュアル系とか。当時はなんて呼ばれてたんですかね。普通にナツミ?……ナツ君とかショウ君。しょーちゃん?それともなっちゃんかなー?」


「やーめーろー。マジでやめろ。鳥肌立ったわ」


マジで鳥肌立った。学生時代の呼び名など思い出したくもない。なんか微妙に正解混ざってた。怖い怖い。このままでは童貞奪われかねない。精神的にな。


「そんな聞いても誰も得しない質問は控えろ。かなり昔だ。記憶曖昧だ。聞いてどうするんだ」


童貞奪う気か?精神的にこねくり回されるのか?…なぜか。もうすでにかなりこねこねされた気がするのは気のせいか?


「独占欲ですよぅ」


「引くわ。そして引かれるわ」


これならまだお風呂で実際に身体をこねくり回されたマシだ。精神的にこねくり回されているおっさんはそんなまったく逃げ道じゃないルートすら逃げ道に見えるくらい追い詰められています。


そんな感じで若くて可愛いくてパッと見イケメンの彼女に良い感じに精神的にこねくり回されました。







【NEXT おまけ5】

【次回予告】【先程。ジェラジェラしている人がいました。なにやら可愛い約束など交わしておりました。以上。次回の予告でした】


【ウラおまけ】に要注意な妄想原案が更新されているらしいという噂を耳にしました。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る