無防備の神に転生☆



【おまけ3】



8月22日は『しし座』らしい。さっき調べました。


そんな猛獣系のユウナちゃんに懐かれてしまった彼女です。朝日を拝む勢いでしたが仕事は瞬殺したので定時退社出来ました。身も進み立身出世の占い通り仕事は得意です。そんな私は今日も大好きな夏海さんと一緒に帰宅して今まさに部屋に侵入するところです。今夜は曜日的に夏海さんはリアタイで見たいアニメがあるはずなので空気と同化する作戦を実行する予定です。


ちなみに休憩時間の平穏をブチ壊された夏海さんは猛獣と喧嘩してお疲れモード。どんな塩対応をされるのかと少し緊張しております。『だからガキは嫌なんだ』とか『めんどくさい』とか言ってポイされそうで彼女はドキドキしています。なので出来るだけ大人しく。フリータイムを邪魔しないように。私は空気。こっそりさん。


帰宅するなり『テレビすら付けずに』ぎゅうされた。


「な、夏海、さん?ひゃ、っ!」



あれ?アニメは?

帰宅したらとりあえず用がなくても起動するPCすらノータッチだ。


フリータイムを可愛い処女より優先する夏海さんに襲われた。



なんで??



「夏海さん?どうしたんですか?アニメ始まっちゃいますよ?大丈夫ですよ。私。ちゃんと終わるまで大人しく待ってますよ?夏海さんが構わないなら抱き枕にはされたいですけど…」


「お前はバカか?」


「っ!…ん!」


微照れモードより貴重なキレモードの夏海さんに「黙れ」くらいの勢いでキスされて初心者の私はドキドキと動揺を隠せない。するーんと全部脱がされて、そのままベッドに行くのかな?と思っていたらお風呂に押し込められた。



なぜ??



しかしするーんされてキスされたということは、そういう事なのだろう。でもなぜお風呂に直行?


「お風呂ですか?ベッドじゃなくて?」


「…その無防備なところがムカつくな。別に積極的に抵抗しろとは言わないけど」


「お風呂で念入りに洗われるのには慣れてるので。どうぞ。遠慮なく」


若い彼氏ならホイホイとブチ切れそうな仄めかしをブチ込んでみた。狩られたいのかなって思って。サービスでどうぞ。遠慮なくのポーズ付きで。


「はぁ?…いや。違うな。あれだろ。傷口とかの治療的な話だろ?」


しかし私の彼氏はガチの大人なのでそんな罠には簡単には掛からない。草食動物なのに年上なので意外と防御力は高い。きっと若い子なら瞬殺なのに。そういうマジで大人な所も格好良い。少し悔しいけど。


「引っ掛かりませんね。残念です。もちろん傷口的な話です。ケガをした時にはお姉ちゃんによく洗ってもらいます。全裸は初めてですけど。でもいつも洗ってもらうお礼に大好きなお姉ちゃんを洗ってあげたいなーと思う事もチラホラありますよ」


「…ダメだ。血縁も性別も関係なく俺以外に触られるな。あと触るな」


「ハグはセーフですか?お姉ちゃんをハグしたい時は?」


「あとで考える」


「やっ、な、ちょっと、…っぁ!」


普段そういう勢いとは無縁の夏海さんが超迫ってくる。もちろん一切の遠慮なく。


「夏海さん、どうしたんですか?」


「どうしたんでしょうね」


「ひゃぁん!」



冷静な質問返しで流された。



そんなにいらないでしょ?もったいないでしょ?というくらい多めにボディソープを手に取った夏海さんにこねくり回された。

おっぱい重点的に。ぬるん。ぷるん。ぷるん。みたいな衝撃的な刺激にこういう行為はまだまだ初心者の私は。



撃沈。



「やぁん!そんな…ダメ、ですよぅ!っぁん!」


「抵抗するな。遠慮いらないんだろ?大人しくしてろ」



無理だろぉぉぉ!!

遠慮がマジでないとこうなるの?

多少の遠慮は必要だな。


まったく余裕無くてそもそも抵抗なんて出来ないし。大人しくとか無理。対応致しかねる。


すっかり固くなった所もコリコリぷるぷる念入りにこねくり回され喘ぎすぎて息も絶え絶えになった頃ようやく満足したのかシャワーでぬるぬるを洗い流された。

さっきまで死ぬほど丁寧に洗ってたくせに。流すのは超雑でテキトーな感じだ。



「夏海、さん…これは、どういう状況なのでしょうか…?」


「洗った。とりあえず念入りに。さっきクソガキに揉まれてただろ?かなり無防備にな。ムカつくんだよ」


「そ、そうだったんですか」


一応。嫉妬とか独占欲とかそんなパターンらしい。嬉しいようなムカつくような複雑な感じだ。


「こういう。セックスですべてを解決するようなガキみたいな真似は苦手なんだけどな」


「苦手って感じの手付きではなかったですけど…」


たしかに表情的には普通だったけど。手付きはかなりプロ仕様だった気がする。初心者の私にはプロとか素人とか判断出来ないので想像だけど。


「こねくり回してるうちに当初の目的は完全に見失った。普通に興奮してヤバい。でも石鹸だらけでこのままヤッてお前の中に石鹸入ったらさすがにヤバいかなと思って流したんだ。石鹸だらけだと迂闊にあちこち舐められないしな。さっさとベッド行ってやるぞ?それともこのままここでするか?」


「ベッドでお願いします」


あちこち?


夏海さん。表情変わらないからムラムラポイントが死ぬほどわかりにくい。そして気遣いポイントはズレてはいないけどオープン過ぎる。


大人だから?


初心者の私には刺激が強すぎてどう受け止めれば良いのかわからなくなってきた。とりあえずこんな明るい所で。しかもお風呂でこのままは無理だ。どうすれば良いのか想像も付かない。


「了解。このままここでやるぞ」


「な、なんでですか!なんで聞いたんですか!?」


なんのための二択だったんだろうか。


「せっかくならお前が嫌な方でやろうかと思って。…千秋君?」


「【せっかく】の使い方がおかしい!そ、そんなドS言葉攻め付きシチュエーションボイスのスキル持ちなんて聞いてないですよぅ!」


「そんなスキル持ってない」



そのための二択か。


夏海さんがいつもの感じで。いつもと違う内容をブチ込んでくる。年上の夏海さんには私が知らない事がまだまだたくさんあるらしい。


「苦手なんだけどな。こういう典型的な【お仕置き】みたいなのは」


「どこがですか!?苦手な感じ皆無ですよ!本当に、ぁっ!ダメですから、夏海、さん…っん!」


肘ドンからの顎グイからのスムーズかつ強引なキスだった。私はするーんされこねくり回されて全裸でずぶ濡れなのに夏海さんはまだ普通にスーツ姿だし。そんな典型的な強引キャラの行動をサラっとしても表情的には普段通りなのが恐ろしい。



恐ろしく。ドキドキする。



「夏海さん、ッ…ダメ、そこダメですっ!やぁ、ん、ぁっ!」


ぐちゃぐちゃと恥ずかしいくらい音が響く。感覚も強すぎるけどその音が自分をますます深い所まで追い詰める。さっきまで散々焦らされた身体の一番敏感な所を念入りに解された。イッてるのに。もうダメなのに。夏海さんは攻めるのをやめない。もうダメですから。これはどうにかしてもらわないとどうにもなりません。そんな状態でお願いしますの要求をそれとなくしても夏海さんはスルーだ。


「可愛いくおねだりしてみろ」


「そ、んなの、無理ですよぅ」


夏海さんに【おねだり】とか言われた!!


「【お仕置き】だからな。可愛いく謝っておねだり出来たら許してやるよ。ほら。千秋君頑張れ?」


「ヒドイっ、ぁっ!もぅ、許してっ、下さい!もう誰にも触られませんから……夏海さんだけっ、だからぁ!名前、ちゃんと呼んで下さいよぅ」


「ダメだ。お前もちゃんと俺の名前呼んでみろ」


厳しい!判定が超厳しいです!


もうこっちは限界なのに。出来るだけ可愛いくおねだりしたのに。初心者的には渾身のおねだりだったのに。あんまり強すぎる刺激に全身を侵され音にも追い詰められて言葉攻めで焦らされて初心者は気持ち良すぎて泣きながら弱々しくしがみつくしかない。


か弱い系かも。今の自分。か弱い系は難しいと思っていたけど、涙目で身体を委ねている今の自分はなかなか良い感じにか弱い系だ。


しょうさんっ、お願い、もう、助けてっ、」


「仕方ないな。許す。…可愛いな。茜」


ちゃんと準備をしてからぐいっと片足を持ち上げられそんな死ぬほど不安定な体勢のまま中に強引に入ってきた。


「あっ、や、苦し…動かないで、下さい…っ、ダメぇっ」


「っ、」


苦しくて。体勢もかなり不安定でバランスを取ろうとすると死ぬほど気持ち良いし。どうすれば良いのかわからず動揺した胎内がぎゅうぎゅうと中を締め付けるのでその感覚にますますダメな感じになる。さすがに夏海さんもキツいのか少し苦しそうな表情。


…そういうのが一番ダメ!!


なんか色気みたいな。全然マジで普段どころか最中でもそういう雰囲気皆無なのにギリギリの所で微妙に滲む男の表情的なやつ。反則。大人。ズルい。


そしてしがみつくと微かにタバコの匂い。もう。本当にダメです。


「翔さん、あっ!っ、もぅ…ゃっ、」


「好きだぞ。茜。大人しくずっと側にいろよ?」


「っ!そう、いうこと…っぁ!も、ダメです、っあぁん!!」





狩人は。大人の男の人にサクっと狩られました。






狩られた獲物です。終わったあと再び洗われてトドメを刺されました。



最後の力を振り絞って可愛いくおねだりして夏海さんに着替えを借りました。散々全裸でこねくり回された後だけど逆に死ぬほど恥ずかしくてコソコソ隠れて着替えました。夏海さんがコソコソ隠れてタバコを吸う気持ちが微妙に理解出来たような。関係ないような。




少し落ち着いて彼シャツハァハァとか思いながらヨロヨロと部屋に戻ったら夏海さん。



すでに寝てるし!!!!



苦手なお仕置きに挑戦したからなのか。元々寝不足で超眠そうだったからなのか。休憩時間もブチ壊されていた年上の夏海さんは。



寝るの早い!!!



無防備極まりない。無防備の神か。塩対応の神から無防備の神に転生したのか。


なんなの?

マジで狩られたいの?

いや。狩られたのは自分か。


こんなに可愛いくスヤスヤ眠ってたら逆に狩人の方が遠慮して射れないじゃん。むしろ射る必要ないじゃん。すでに仕留められた状態じゃん。この世で一番狩りにくいのは無防備の神か。可愛い大きめの無防備な草食動物。いや。草食じゃないか。


一応着替えたみたいだけどスーツは脱いだままテキトーに放置だし。本当にダメな困った人だ。とりあえず回収してハンガーに掛ける。



でもそのリアルにダメな感じが堪らない。



寝顔。なんか妙に可愛いし。この人。実は天性の才能の持ち主なのでは?おっさんだ取り柄とかあんまりないだスペック低いだと自分では言ってるくせに。なにもしないフラットの状態が最強ってどうなってんの?


とりあえず寝顔は撮った。静止画と動画と。どっちも。


「夏海さーん。狩られたいんですか?」


無防備の神。無反応。

はい。よく寝てます。


夏海さんの手を少しだけ持ち上げてパッと離してみたけど、普通にそのままパタっと落ちた。起きません。マジで寝てます。爆睡です。



すりすり…

ぎゅうっ

なでなで。

こねこね…


ちゅ


…おでこにちゅーしても起きないとかこの人どうなってんのありがとうございます大好きです!!


「翔さーん。こんなに無防備だと可愛い彼女にイタズラされちゃいますよー?」


はい。起きません。


もうこの無防備な可愛いのを抱っこして寝る。こねこねしながら寝る。ハァハァして寝れるかわからないけど寝る。


フラットな状態が最強の夏海さんをハァハァしながら思う存分こねこねして寝たヤバい系の彼女でした。





【NEXT おまけ4】

【次回予告】【先程。無防備の神が目を覚ましました。側に狩人がいました。なにやらイタズラをしていました。以上。次回の予告でした】

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