koumoto様、こんばんは。コメント失礼致します。
この度は、【ジャンル不問】短編作品の集い【出入り自由】 の自主企画へのご参加ありがとうございます。早速読ませていただきました……!
寂寥感溢れる物語の始まり、死に絶えて滅んだ世界。そして淡々と語られる博士の死。美しく整然とした文章で語られる物語が本当に静謐な美しさをたたえていて、感激しながら読みふけってしまいました。
この物語の中で最も印象深いのは、『もしかしたら愛なのかもしれない』という言葉でした。
『愛ではない』でもなく、『愛している』でもなく。
『もしかしたら』『かもしれない』という言葉が選ばれたことに、心震わされました。本当に本当に素晴らしい作品をありがとうございます。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。とても嬉しいお言葉、感謝です。静かで寂しい世界を描きたかったので、出来るかぎりこころを澄まして、ゆっくり歩くように綴りました。断言よりも、曖昧だったり、淡い物言いを好むところはあるかもしれません。少しでも、なんらかの印象を残すことができたのなら、書き手冥利に尽きます。丁寧なコメント、ありがとうございました。
編集済
世界観に浸ることができてとても面白かったです。ものごとに意味を与えるのは人間が勝手にやっていることで、その人間が終わってしまえばガラクタも歴史的資料も大したものではなくなるのでしょうね。そんな世界であるがゆえの無情感と、それこそ作中で述べられていた目的がなくなった世界の魅力を体感できました。物語の終わり付近の文章が個人的にとても好きで、もしこのアンドロイドがその道の先で愛を知れたのなら、この世界がどう見えるのだろうかと想像してみたくなりました。
長くなってしまうのですがまだ感想があって、博士の価値観がとても興味深かったです。きっとアンドロイドのように、自分の生き方があったうえで補助的にその他のものを捉えていれば自死を選ぶこともなかったのかなと感じました。けど、博士は愛を知っていたが故に、世界とアイデンティティを切り離せなくなってしまった。世界にもたれかかって反発することで生きていたため、その世界のありのままを受け入れることができなかった。恋は盲目みたいな感じで。それとも、シンプルに襲い来るリアルがあまりにも想像を超えていて、未来への希望がなくなったか。非常時の人間の思考ですからおそらく後者が当てはまるのでしょうが、描写が少なくも足りないわけではないことで妄想が捗りました。とても面白い作品を企画に提出していただきありがとうございました。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。人がいなくなった世界というのは、寂しいけれど、たびたび描かれる魅力的なイメージですよね。そんな終わった後の世界に憧憬の念を持ってしまうのも、人間の不可解さであるのでしょうが。
博士の心情を想像していただけて嬉しいです。絶望を抱えている人は、その絶望への執着に支えられることもあるのかもしれませんね。自分ひとりの絶望なら抱えきれたのに、世界が実際に終わりを迎えるとなると、抱えきれなくなったのかもしれません。
とても丁寧で詳細な感想、そしてレビューまでいただけて、感謝です。ありがとうございました。
企画参加ありがとうございます。
戦争だったり気候変動だったり、人類が滅んじゃうかもと思わされるニュースを見聞きすることの多い昨今ですが、私たちは滅ぶ瞬間を見ることに耐えられないし、さりとて滅ぶ際にはキレイサッパリというわけにもいかなくて、滅んだ後にずっと残るモノがあると思うと不思議な気持ちになりました。
大変楽しませていただきました。ありがとうございます。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。ある意味では、もう人間は滅んでしまったのかな? と思うことすらある昨今ですが、退廃的な美しさや儚さのある滅びや終末なんて、物語のなかでしか見られないのかもしれませんね。だからこそ、憧れたり夢みたりしてしまうのですが。少しでも楽しんでもらえたなら嬉しいです。
企画参加ありがとうございます!
終末、廃墟、ロボット(アンドロイド)、いいですねー
抽象的な感想になってしまうのですが、読んでいてガラス細工みたいな印象を受けました。綺麗だけど、どこか冷たさのような怖さのようなものもあって、それでいて引き込まれるような。
ことばや文章の並びに込められる独自性(独自の世界観)というものを改めて感じさせられました。すごく勉強になりました!
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。終末、廃墟、アンドロイド、すべて好きで、自分の好きなものを詰め込んだような短篇ですが、ガラス細工のようだと形容していただけるとは、とてもありがたいお言葉です。少しでも終末の空気感を伝えられたなら嬉しいです。
企画にご参加いただきありがとうございます。
「目的を失ってから眺めるときが、いちばん美しい」という一文がとても印象的で心に残りました。目的がない状態がそのものの本質の美しさに気づける、ということなのだろうかと考えてしまいます。
現実と非現実、生と死の狭間のようなそんな世界で微睡んでいるような感覚になりました。
廃墟となった世界の空に輝く星は、さぞ美しく瞬いているのだろうなと思います。
とても好みな作品でした。読ませていただきありがとうございました!
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。なにかの為に、とかよりも、なんの目的もなく見たものの方が、後々あざやかな印象を残したりすることは、よくありますね。微睡み、というのは好きな言葉なので、そんなふうに形容していただいてとても嬉しいです。こちらこそ、感想、ありがとうございました。
「雪が溶けるみたいな死に方」という表現が、なんだかとても心に残りました。
人間として見ると、子どもっぽいような、そして冷淡とも言えてしまえるような視点は、アンドロイドとしての純真さなのかもしれないと思いました。
それまであくまでファンタジーであった世界が、一転、ホログラムで実在の事件が提示され、一気に、これは現実世界であると突きつけられる感じに圧倒されました。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。純粋なような、冷たいような、そんな視点で終末を描いてみました。現実離れした物語に、現実を重ね合わせてみたいと、そんな願望を抱いています。少しでも楽しんでもらえたなら嬉しいです。
企画への参加、ありがとうございます。
世界観の広げ方、あえて博士との思い出を語り過ぎないところなどいろいろ褒めたい部分はあるのですが、特に驚いたのが序盤の少年のコレクションの描写でした。
いくつかモデルがあるんでしょうか?
文章を読むだけでわかる玩具の解像度の高さがすさまじいです。
ぜひ他作品も読んでみたいと思わされる名作でした。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。
玩具については、具体的なモデルはありませんが、雑多な玩具箱をイメージしながら書きましたね。カラスが光りものを集めるように、玩具を集めるアンドロイドがいたら楽しいな、なんて思いながら。イメージがうまく伝わってくれたなら、嬉しいです。
励みになる、喜ばしいお言葉です。コメント、ありがとうございました。
こんにちは、コメント失礼します。
この度は企画参加ありがとうございました。
描写もさることながら、内容も深く引き込まれてしまう物語で息を飲んでしまいました。特に”熊”と会ってからの場面は、命、死、愛、恋……それらの概念の一端に触れた気がして震えた物語でした。
人間の感情を理解することはできないアンドロイドだからこそ、物語は静かでどこか淡々としていて。けれど”熊”に対しては、彼の内側で揺れるものが見え隠れしているように感じられる。「恋」という表現はまさにしっくりと来ました。『過去との恋を育んだ。』という一節が素敵です。
人が普段想像する「恋」「愛」とは別の側面、言葉の奥行きを見せてもらえたような気持ちになりました。
余談なのですが、自主企画要項に「星が好み」と書いてあるのを見て、数ある作品の中からこちらを選んでくださったのでしょうか。そうだとしたらありがとうございます。そうでなくとも、素敵な物語と出会うことが出来ました。
改めて、ありがとうございました。
作者からの返信
こんにちは、冬原さん。読んでくださってありがとうございます。
人間ではない存在の、なんとも形容しがたい想いかもしれませんが、なにかに焦がれるその心情は、やはり恋といっていいのではないかと思います。熊というのは怖い存在なのに、なぜ一方ではこうも愛されるのか、作者も不思議に思ったりしています。
星が好き、と書かれていたので、自分の作品で星が出てくる作品はこれくらいしかないのですが、読んでもらえたらいいなと、参加させていただきました。
たいへん丁寧なコメントをもらえて、とても嬉しく、励みになります。こちらこそ、ありがとうございました。
企画参加ありがとうございます。
初めての自主企画で、誰か来るかなーって思った矢先の参加。凄く嬉しいです。
内容の感想ですが。
まず、大変面白かったです。
終末感が程よく、文章の構成もすでに出版されているような小説達に負けじ劣らじといった感じでした。現実にありそうで存在しないような展示が出てきたのもSFって感じでわくわくできましたし、熊というキーワードを最後まで絡めて書いていたのも良かったです。
情景描写なんかもすっと入ってくる感じで読めて良かったです。最後にもう一度、参加頂きありがとうございました。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。
廃墟と終末世界を自分なりに描いたつもりの作品なので、企画を見るなり参加させてもらいました。
読みやすい文章を書けているのか、自分では客観的に判断できないところもありますので、とても嬉しいお言葉です。
コメント、ありがとうございました。
はじめまして、コメント失礼致します。
企画参加ありがとうございました。
いつか来る未来かもしれない、と漠然とした人類滅亡の不安を感じつつ、その悲しさの中に儚い美しさも見えました。
亡くなったものも完全には無くならず、愛してくれる感情があるなら幸せな事かもしれない。
文章が詰まりすぎていて読みにくいな、とも感じる時がありましたが、それはそれでストーリーに合っているのだと読み終えた後に感じました。
素敵な作品、ありがとうございました。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。
崩壊した世界の静けさと寂しさを描きたかったので、儚い美しさと感じてもらえたならとても嬉しいです。
あまり空白を設けていないので、読みづらいとは思うのですが、自分にとって心地いい字面を追求すると、どうしてもそうなってしまいます。あらためて、読んでくださってありがとうございました。感謝です。
koumotoさま、「マイ・ベスト短編の里」へのご寄稿ありがとうございました。
欲張りな友未の要求に背かない素晴らしい作品だと思いました。
「放課後モノクローム」もそうでしたが、koumotoさまはこうした終末世界の住人なのでしょうか。
わびしい作品でした。
廃墟や終末と言いますと、友未はJ.G.バラードの退廃美を思い出しますが、koumotoさまの作品は、それほどシュールでも耽美的でもなく、より静謐で深い翳りのなかに沈んでいるようです。ストーリー性に乏しいこれだけの長さの作品を単なるイメージの羅列だけに終わらせず、まとめ切っているのに唸らされました。「エイン博士は人間を愛していなかったし、少年もエイン博士を愛してはいなかった。それでも、少年は博士の残像をその記憶から消すことはないだろうし、形見の外套が、すりきれて使い物にならなくなったとしても、継ぎをあてながらでも纏いつづけることだろう。」のあたりに、ラストらしい山を感じました。この調子でさらに何万字もの長編へと描き続けて行くことも可能でしょうが、その苦労に見合うだけの結果は得られそうもありませんし、何より、わびしさが損なわれてしまいそうで、やはり短篇でなければならない必然性を感じます。「天の光はすべて星」はF.ブラウンでしょうか。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。
終末への偏愛はたしかにあります。なぜかは自分でもわかりませんけど。そういう作品に影響を受けてきたからでしょうか。バラードは、文章は苦手なのに雰囲気は大好きという、ちょっと特異な印象を抱いています。あの退廃感と終末感にはやはり惹かれます。「天の光はすべて星」は、おっしゃるとおりブラウンの引用です。詩のようなタイトルだと思っています。エイン博士という名前も、ティプトリーの引用です。これまで読んできたSF小説への、自分なりの愛情表現のつもりです。
静謐な作品を願って書いたので、とても嬉しいコメントです。少しでもこころに残るものがあれば幸いです。ありがとうございました。
「心理描写に力を入れた作品」にも参加いただいてましたね。連続して参加ありがとうございます。
人類が滅亡した世界の中で1人星空を見上げるアンドロイドの少年。彼の感じる孤独や寂寞が作品に漂い、儚げな美しさを醸し出しているように感じました。
荒廃した世界には少年の他に誰もいない。彼が愛した博士や熊もいない。だけど彼らへの愛を知っている限り、少年は本当の意味で孤独ではないのかもしれませんね。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。こちらの企画にもお邪魔させてもらいました。
孤独を実感しない存在にとっては、孤独の意味さえわからないのかもしれませんね。それは幸福なのか不幸なのか、それもわかりませんが、儚さのようなものを感じていただけたなら嬉しいです。
初めまして、斑猫です。
恐らくは人類が死に絶えた終末世界の中、気まぐれに過ごす少年アンドロイドの姿とその情景がとても幻想的でした。彼は他のアンドロイドほどの知能を持っていなかったからこそ、日々を幸せに暮らしていたのだと思うと何とも意味深です。
そしてその彼が好んで見ていたホログラムが、かつての凄惨な事件や事故だったというのも、前半部分を際立たせております。
ではまた。
作者からの返信
初めまして、斑猫さん。読んでくださってありがとうございます。終末に取り残された存在の日々を、できるだけ静かに描こうとしました。幻想的と言っていただけて嬉しいです。時間が経って「歴史」になってしまうと、凄惨な事件や事故も、後世のだれかにとっては、夢でしかなかったように淡くなってしまう哀しさがあります。コメント、ありがとうございました。
独特の乾いた世界観がとても美しいですね。
自分はSFのような作品にはほとんど触れてこなかったのですが、とても惹き込まれました。悲しみがないという悲しみ……みたいなことを感じました。
「きっと人間は、本当の終わりには耐えきれないものなのだろう」
個人的にはこの一文がとても刺さりました。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。自分の場合は、SF小説ばかり読んでいた時期があるので、このジャンルに対する憧憬のような感情が残っている気がします。
悲しみがないという悲しみ。まさに、そういったものを描きたいと思って書いたので、そう感じていただけたならとても嬉しいです。コメント、ありがとうございました。
はじめまして、紅卿と申します。
この度は僕の自主企画に参加いただき、ありがとうございました!
この物語を読んでいて、はっきりと少年とその周りの風景をイメージすることが出来、言葉選びが上手で、語学のアートを感じました。(文系ではないので国語には少し疎いのですが)
人間ではない、アンドロイドだというのに、何故かその少年の心が解るようで、思わず感心しました。その少年が、本当は寂しいのだろうということもジワジワと伝わってきて、こういう物語の書き方もあるんだな、と、大変良い勉強になりました。
作者からの返信
企画に参加させてもらい、ありがとうございます。
人間ではない少年の、こころの機微のようなものを感じていただけたなら、とても嬉しいです。
読んでくださって、ありがとうございました。
編集済
SFで終末を扱う作品では、往々にして荒廃した風景の描写を重視し、破滅への欲求をテーマにすると個人的には思っています。しかし、この作品はヒトの死、ヒトの内面をアンドロイドという非人間の”こころ”を通じて淡々と描いています。その新鮮さと清廉さが本当に魅力的です。ヒトの死と終末世界を扱いながらも読了後に清涼感が残るのは作者の技量の賜物だと思います。素晴らしいの一言です。
漫画「火の鳥」やバラードの小説に近いものを感じました。
(的外れならすいません)
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。大変励みになる丁寧なコメントをいただけて、とても嬉しいです。バラードの描く、退廃的な終末の風景はとても好きです。実は、設定や人名の部分で、ティプトリーにオマージュを捧げています。
編集済
2回、通して読んで、終わった世界の静けさを味わわせていただきました。
何もかもが死に絶えた地球の上を、ただ一体、博士の形見の外套を着てさまようアンドロイドの少年。彼が、孤独を感じないどころか時には上機嫌ですらあることが、滅びた世界と対比を成して強く印象に残りました。
自己修復機能を備えているであろう彼の果てないライフワークがすでに何年続いているものなのか、明確な描写はなかったと思います。その点もまた、一つの機械としての残酷な運命を思わせて印象的です。
ホログラム、悲惨な死の幻燈の後の、博士が諳んじるイェーツの詩。あのシーンもとても好きです。生の中の死、死の中の生。では、私が読んでいるのは「死の中の死」とでも呼ぶべきものなのかな、なんてよく分からないことまで考えてしまいました。
長々と失礼しました。素晴らしい一編をありがとうございました。
作者からの返信
再読までしていただけたとは……。丁寧に読んでくださり、ありがとうございます。作者にとって愛着のある作品なので、とても嬉しいです。
彼のライフワークがどれだけ続いているかはわかりませんが、悠久の時を遊び続ける運命にあるのでしょう。死の中の死。たしかに、そう言えるかもしれません。
励みになるコメント、ありがとうございました。感謝します。
生物がいなくなった世界で少年がただ生きているだけ。淡々とした考え方をしていて、感傷的な感情はなく暇つぶしに熊を探しているように思われましたが…やっぱり、寂しいのですかね?
文書の並べ方が良かった(意味不明な感想でごめんなさい)ので、つっかえらずに読み進められました。
恐竜と同じ道を辿った などのわかりやすくて余韻の残る言い回しや少年が覚えている博士の何気ないセリフが物語をより味わい深くしています。
廃墟小説を集める自主企画に参加していなければ、こんな素敵な作品に出会えませんでした。
ありがとうございます
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。わかりやすくて読みやすい文を書けないと悩んでいるので、とても嬉しいコメントです。
この度は「終末世界好き集まれ!」に投稿していただき、ありがとうございました。
命のないアンドロイドと、愛や熊のお話、とても面白かったです。
正直、一文目を読み始めた瞬間から惹き込まれてしまいました。
無機質なようで、愛が無いというにはどこか違和感を覚えるような少年に、不思議な感覚になりました。
ありがとうございました。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。そのように言っていただけて嬉しいです。終末や滅びを描く作品に惹かれるので、自分なりの静かな終末の世界を描きました。少しでも楽しんでもらえたなら幸いです。