復活の魔王様編
魔王様、復活ですよ!(前)
ついにこの日がやってきました。
にっくき勇者に魔王様が倒されてから10数年。ようやくバラバラとなった魔王様の『魂』の欠片が全て揃いました。私が魔王様の気を感知できるとはいえ、欠片の回収は困難を極めました。
戦いに次ぐ戦い。
ダンジョン深部の強敵と、また、魔王様の復活を阻止するべく現れた『天使』たちとの激闘。一人、また一人と同胞が力尽きていってしまいました。しかし、全ては我ら闇の一族再興のため。我らの世界を取り戻すためには、魔王様の力が、存在が必要不可欠なのです。同胞の屍を越え、私は残された力を振り絞りました
そして、ようやくこの時を迎えることができました。
「魔王様……今こそ目覚め、再び我らをお導きください」
私は長い長い、復活の呪文を唱えます。
冷凍保存していた魔王様の亡骸の胸のあたりへと、魂の欠片が集まっていきます。そこへ闇の力が凝縮していきます。
さぁ――魔王様の、復活です!
私はありったけの魔力を注ぎ込みます。この身体と魂が千切れようとも……構いません。私の魂は、魔王様と共に!
闇が、弾け――。
『ふ……ふはははは! まさかこんなにも早く復活できるとはな! でかしたぞ、アモン! 褒めて遣わす!』
声が、響き渡る。ああ、我が魔王様。最後にひと目、お会いできるとは。
涙が溢れて、魔王様のお姿がぼやけてみえます。駄目だ。ちゃんと、魔王様の勇姿を拝見しなければ。最後なんだから。私は涙をぬぐいました。
「ふむ、やはりまだ完全には力が戻らぬか。どうにも身体が……ん? なんだ、アモン。貴様、ずいぶんと背が高くなったな。成長期だったか? どうした、そんなに目を丸くして」
私は言葉を失いました。
なんと、そこには――。
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