診察

数日前からからだの調子がおかしい。


仕方がないので午後から近くの病院にでかける。


その結果、私は『慢性恋愛中毒症候群』と診断された。


忙しい中、時間をさいて出向いたのにふざけた診断をされたということに腹がたったというよりも、私は正直面食らってしまい言葉が出なかった。


おまけにそのとぼけた医師は、まじめくさった顔で『突発性一目惚症候群』まで併発しかかっているというではないか。


私は無言のまま立ち上がると、診察室を出た。


そのまま病院を立ち去ろうとする私を、受付の女性が呼び止める。


こんな茶番に付き合わされたうえ、金まで取る気か。


私はあきれて後ろを振り返る。


その瞬間私は医師の診断の確かなことに気付いた。


受付の女性は微かな笑みを浮かべていた。

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