人物・設定など➂

☆コロニー―――地球の人口爆発による新天地開拓と、絶滅危惧種の保護を目的としたコロニー計画を元に七つ建造され、ラグランジュポイントに配された。


 その後、人類孵卵器インキュベーターにより“完全養殖”されたデザイナーチャイルドたちをコロニアンと呼ぶようになっていった。


 西暦から太陽系歴に至るまで幾星霜、修復と改造が繰り返され、現在では十五のコロニーが運用されている。


 内部は重力発生装置と天候プログラムでゆりかごから墓場まで、天井は天頂ホログラムによっておはようからおやすみまで、人間と体内時計とほぼ同じ周期で快適に稼働している。


 そんな恵まれた環境でコロニアンはすくすく育ち、星系外開拓民育成プログラムによって次々と新天地を目指し旅立っている。還ってきたものはいないが、まぁ元気にやっているだろう。


☆地球―――いろいろあって主だった大陸のほとんどが海に没した海洋惑星になった。


 本当にいろいろあり過ぎて、南極の氷がドロドロ溶けだした辺りの記録はほとんどが破棄されてしまっている。一部には、数少ない残った陸地のどこかに当時を記した古文書が隠されており、そこにはやがて生まれ出でる選ばれし者の名が刻まれているとかいないとか。


 特段なんの生物学的根拠もなく怪獣みたいな深海生物が多数生息しているのが、それらの謎を解くカギになるかもしれないし、ならないかもしれない。


 かようにことごとく何も分からないので、地球の過去はマリナーの間では特にホットな都市伝説と化し、月刊ム〇のUFO特集並みに周期的な話題になっている。


☆サピエンス―――今作における狭義でのサピエンスとは、地球イウォク島に僅か生き残るロックら旧地球人類のことを指すが、広義では、地球から旅立ったルナリアンやコロニアン、一部のガニメアンもそう呼ばれることがある。つまり、外見的な特徴がホモ・サピエンスと似ていればサピエンス、そうでなければ固有の人種名で呼ばれる。


 とはいえ、イウォク島のサピエンスたちがおよそ宇宙文明とは切り離され、独自の島生活でどんちゃん騒ぎしているので、あまり顧みられることはない。


 そもそも、なぜハワイ島並みの小さな島だけが海に沈んでいないのかが謎である。こちらは、ツチノコ特集並みの頻度で話題になっているらしい。

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