人物・設定など②

ルナ―――なぜ、“ルナ”と呼ばれるようになったのかは諸説あるが、初代皇帝が言語統一前の古代ラテン語から名付けたとされるのが一般的。

 資源の無い不毛の大地で生きるべく、シティと呼ばれる都市内部は厳しい管理社会を築いており、興行や余暇の類はあまり多くなかった。

 一世紀ほど前になってようやく、観光客を受け入れるようになり、コロニアンが修学旅行で訪れるようにもなった。サビゾーはそれを利用して、首都に潜入した。


☆ルナリアン―――太陽系歴より以前、西暦と呼ばれていた時代の中期に入植した衛星移住開拓民の末裔。地球環境の激変に伴って行われた新種マリナーへの“改造”を拒んだ者たちとも言われている。


 故に、肺呼吸で特殊な力を持たない旧人類サピエンスであることに大なり小なり誇りを持っている。


 急進的な一派は、コロニアンやマーティアン(火星人)などを含む他の人類に対して公然と差別的言動を行い、自らを最も崇高な人類であるとしている。穏健派のバローズ皇帝となってからは特に財政面で安定し、治安も改善したが、他星からの観光客や移住者も増えたことは彼らを苛立たせている。


 現在、クーデターを起こしたシディア首相は、そうした極右きょくう勢力たちとも密接に繋がりを持ったうえで、軍部を動かし、事実上、政権を掌握している。


 月の日常は、皇帝の危篤というフェイクニュースによって通常通りに動いているが、地下では、事実を知ったレジスタンスと、軍部&極右たちとの血で血を洗う戦いが続いている。



 ……などという血風香るドシリアスなミリタリーSFを本編でかまそうとすると、予定の三倍くらいの文字数になるし、チョイの“のじゃネコ”一人称では途端に脱力感がマシマシになるので、作者はこういう場所で幕間として書くことを選択したようである。


 かように月人類は地球人に対して、結構なクソデカ感情で接している面もあるが、地球さんサイドはツンもデレもない素直クールな隣人ムーブである。だから、いきなりハイパーゲートを襲ってきたときはかなりビビった。

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