最終章、全面戦争
第24話 家庭教師、全面戦争を受けて立つ
気が付けば俺は恋子の結婚式場に向かっていた。
何でだろう?俺はもうアイツらに会えないのに、会っても帰される。
つまり、簡単に言えば俺はアイツらと会う資格は無いのだ。
それなのに重たい足を.....引き摺って来た。
「.....此処か.....」
正装をして目の前の真新しい教会をモチーフにした様な結婚式場を見る。
何をやっているのだと思う。
だけど、何だろう。
恋子が.....他の連中、あのみょうちくりんな黒人に取られる。
死んでも嫌な感じがする。
それは.....あまり願ってない幸せだ。
だから俺はこの場所に来た気がする。
変えたいのだ、何かを。
だから。
「あの」
「.....はい」
「結婚式に呼ばれたんですが.....」
目の前の案内人の方に案内してもらい。
俺は教会擬きに入る。
そして椅子に腰掛けた。
その場所には色々な人達が居て俺を見たり、話したりしている。
「.....恋子.....」
その様に、呟いていると結婚式の案内人が声掛けをした。
何かを読み上げる様にして.....と言うか。
言葉が耳に入って来なかった。
駄目だ、全く駄目だ。
一体何なんだ畜生。
俺は恋子と想の担当を辞めたのに。
「では、新郎の方のご入場です」
俺は背後を見る。
拍手喝采と共に新郎のあの黒人が入って来た。
そして神父の元に上がって待つ。
その次に入って来たのは.....。
「.....クソッ」
「.....」
父親.....では無い、誰かに付き添われたヴェールを頭に付けた恋子だった。
あの父親はどうしたのだ?
俺はその様に目をパチクリしながらも。
嫌気が指して前を見た。
「では、これより、婚約の誓いを行います」
「.....」
ヴェールをこちらに向けている恋子。
良いのかそれで。
これで良いのか?
駄目だと思わないか、俺。
絶対に.....駄目な気がする!
「.....では先ず、指輪の交換.....」
「ちょっと待て」
「.....!?」
目をパチクリする、外野達。
そして目をパチクリする、恋子と黒人。
俺はただ壊したかった。
今まで分からなかった事が悔しい。
俺は、そうだ。
その場で絶叫を上げた。
「.....俺だってなぁ!恋子や想が好きなんだよ!」
「.....は、はぁ?!へ!?昌浩!?」
まさかだという様な変な声。
構わない、その場から俺はお姫様抱っこで恋子を掻っ攫った。
俺の腕に負荷が掛かるがそんな事はどうだって良い。
「.....ちょ、ちょっと昌浩.....!?」
真っ赤になる、恋子。
何コイツ、化粧したらこんなにも可愛いの?
俺は真っ赤になりながら、追って来る奴らから逃れて。
そして辿り着いた。
その場所は要は海に近い場所。
人が少ないその場所に、何故か想が居た。
俺の事を予想していた様に。
唖然とする、俺。
その時、想がこっちに来て柔和になった。
それから恋子を見る。
「.....あはっ。全部、計画通りだね」
「.....そ、そうだけどこれ結構、恥ずかしい.....」
「.....計画通り?何だそれ?」
俺は顔を引き攣らせて???を浮かべる。
何が起こっている?
俺は考えながら、目の前を見る。
恋子と想が俺を見つめてきた。
「.....この結婚式は偽装結婚式なの」
「.....そう」
「.....は!!?」
偽装結婚式.....って事はまさか.....。
俺は青ざめた。
まさか、コイツら!
「.....俺を振り向かせる為に.....お前ら.....大金を使ったのか.....!?」
「そう、役者で、借り物なの。雇った借りた、ね。結構大枚叩いたわ」
「.....でもお姉は本気で結婚する予定だった。だって貴方が.....来てくれないと思って。来てくれた時は.....本当に嬉しかったんだと思うよ。お姉は」
「.....おま.....えら.....!?」
コイツらそんなに俺の事が.....!?
俺は真っ赤に赤面する。
すると、左右からキスされた。
その事に更に驚愕する。
「.....昌浩。結婚式を挙げるのは貴方が良い」
「そうだね。お姉」
それで親父が居なかったのかあの場所に。
俺は納得しながら、懇願書を見せてくる想。
そして俺に和かになる、恋子。
「お願い。家庭教師をして」
「.....貴方しか居ない」
「.....」
ここまでやられて何も答えないのは。
男が廃るだろう。
俺は盛大に溜息を吐いてそれを受け取る。
次に想はまた紙の様なモノを取り出す。
そして俺に見せてきた。
「.....これは親父に約束の為に書かされた書類。貴方に会うなっていう。これを破ったら絶縁っていうね.....」
「.....まさか.....それをどうする気だ」
「.....あれは親父じゃ無い。貴方の為ならこんなもの要らない」
それをビリビリに破り捨て。
そして左右から腕を絡ませてきた恋子と想。
俺は愕然として破かれた紙片を見つめる。
この日、遂に俺と親父は全面対決姿勢になった。
恋子と想と俺。
遂に全面戦争へ突入した。
カテキョLOVE?そんなモノは無い 〜天下姉妹と俺〜 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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