第16話 家庭教師、料理対決に巻き込まれる

校舎に戻ってから、俺は想と別れた。

その後に教室に戻ってから大目玉を食らってしまい。

何故なら、教師達が待ち受けていたからだ。


「ハァ.....」


「.....大丈夫?」


「いや、ハゲも激昂してうるさかったが。だけどまあ悪いのは俺だからな」


でもアンタが悪い訳じゃ無いのに。

と悔しそうに呟く、恋子。

俺は恋子を柔和に見る。


「.....同罪だよ。俺もサボったんだからな」


「.....ごめんなさい。それも私達の事で.....」


「.....謝るなって。俺もサボったんだから。監督責任だ」


でも、と俯きながら恋子は言う。

そんな恋子の額に俺は指弾きをした。

恋子は俺を見て涙目を見せる。


「.....何するのよ!」


「あのな、お前は少し心配し過ぎだ。俺も確実に悪い。だから.....気にすんなって」


「.....でも.....気になるし」


「.....お前は優しいな。その気持ちを大切にしろよ」


言葉に対して、恋子は見開いた。

そして少しだけ柔和になって笑みを浮かべる。

俺はその様子に口角を上げた。

すると恋子はモジモジしながら、俺に向く。


「.....あの.....」


キーンコーンカーンコーン


「鳴っちまったな.....あ、恋子どうした?」


「.....ううん。何でも無いから。有難う」


そして恋子は去って行く。

俺はその様子を見ながら少しだけ笑みを浮かべて。

次の授業に備えた。



「ふあ.....」


眠いな、と思いながら昼飯を買いに行こうと立ち上がる。

すると恋子がやって来た。

そして何か、布に包まれた何かを出す。

赤面しながら、だ。


「.....何だこれ?」


「.....ご飯。お弁当」


「.....おま.....俺に?」


「.....わ、悪い!?」


恋子は頬を少しだけ膨らませて、文句を言う。

いや、わ、悪くは無いが.....。

俺はその様に思いながら、受け取る。

驚愕過ぎた。


「.....あと、一緒に食べよ.....」


「.....は?」


「一緒に食べようって言ったの!!!友達居るからたまにしか出来ないけど!!!」


いや、え?

俺はボッと赤面する。

すると、恋子は椅子を引っ張って来た。


「こ、これはお礼だから。勘違いしない!」


「お礼.....ですか.....」


「そ、そう!」


そしてドカッと自分の弁当を置いて。

それから俺を見てきた。

流石に教室もざわざわし始める。

俺は視線を腹痛に変えながら、溜息を吐いた。


「.....早く座って。食べるわよ」


「.....そうですね.....」


取り敢えず、恋子に言われるがまま腰掛けて。

そして弁当箱を開けてみる。

そこには。


「伊勢海老かよ.....」


「.....悪い?かなり拘ったんだけど。その伊勢海老の味噌煮は」


「.....いや.....その、伊勢海老なんて初めて見たよ.....これ」


そして、いくらに、きゃ.....びあ?

とかが有ると思われる。

豪華すぎるだろコレ。


「お前.....食材費が.....」


「お金は少なくともいっぱい有るから」


「そ、そうですか」


流石はお金持ちですね.....。

俺は苦笑いを浮かべていると。

恋子は卵焼きを取った。


「.....」


「.....ジッと見つめてどうした?」


「.....く、口を開けなさい.....」


何?俺は思いながら、卵焼きを見つめる。

すると、恋子はイライラし出した様に。

俺に言った。


「.....いい加減にして口を開けなさい!!!」


「.....は、はい!?」


怖いんですけど?

俺はその様に思いながら、口を開けると。

卵焼きが突っ込まれて。

思いっきり青ざめて咳をした。


「.....だ、大丈夫?」


「大丈夫な訳あるか.....この野郎.....喉に箸が.....」


「.....アンタが口を素直に開けなかったのが悪いでしょ」


ヒデェな!

俺はその様に思いながら溜息を吐いた。


一体、何なんだ。

と思っていると、野次馬の中。

教室のドアが開いて。


想がヒョコッと顔を見せた。

弁当箱の様なモノを持っている。


「.....お弁当」


「.....あ、アンタがお弁当.....それは.....」


「何?お姉。私は対抗するって言ったよね」


「.....で、でもそれは.....」


青ざめて、ヤバそうな顔で俺を見てくる恋子。

恋子がこんな表情って一体何事。

取り敢えず、その様な声しか出なかった。



「.....炭の塊?」


「ハンバーグだから」


「.....炭の棒?」


「.....それは肉巻きだから」


その、何だ。

詰めて有るのが炭だらけだな。

違うんだろうけど.....。


俺はその様な直球の言葉を青ざめながら吐いた。

すると、わ、悪い?


と、想は手をブンブンと回転させて振って頬を膨らませた。

この所は姉妹と一緒だ。

俺は思いながら、苦笑した。


「.....有難うな。お前ら」


「.....まだだから」


ん?まだってのは。

俺はその様に?を浮かべて聞く。

すると、二人は俺を見つめてきて、頷き話した。


「.....感想。どっちが良いか聞かせて。昌浩」


「.....え.....」


想がその様に眉を顰めて話す。

それは.....いや、ちょっと。

と思いながら、俺は顔を引き攣らせた。

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