第2話

 美しい少年達がふたたび玉座の両脇に戻るのを待ってから、ふたりの巨漢は青竜刀を掴み上げて、手足を縛られた男たちの方を振り向いた。

 巨漢の男のひとりが声を張り上げ、

「我らが国の馬国は、マ教の宗教的な掟と国王が定められた政としての律令によって秩序が守られておる。その秩序を乱す者は何人も許すまじ。それが我らが武の役目であり存在する意味そのものじゃ。そのことを汝らは知らぬのか」と問うた。

 手足を縛られ、頭を垂れていた7人の男たちが面を上げた。

 その目は死んでいない。ばかりか瞳の中には炎が燃え盛っているかのような力強さがある。

「秩序とはなんでございましょうや。毎日毎日国民の多くが餓死していくのを見ない振りをして、宮殿の中で饗宴にふけることでございますか」

 七人の男たちの中では一番の歳頭とおもわれる、四十になったかならずに見える男が朗々とよく通る声で言い返した。

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