第2話
美しい少年達がふたたび玉座の両脇に戻るのを待ってから、ふたりの巨漢は青竜刀を掴み上げて、手足を縛られた男たちの方を振り向いた。
巨漢の男のひとりが声を張り上げ、
「我らが国の馬国は、マ教の宗教的な掟と国王が定められた政としての律令によって秩序が守られておる。その秩序を乱す者は何人も許すまじ。それが我らが武の役目であり存在する意味そのものじゃ。そのことを汝らは知らぬのか」と問うた。
手足を縛られ、頭を垂れていた7人の男たちが面を上げた。
その目は死んでいない。ばかりか瞳の中には炎が燃え盛っているかのような力強さがある。
「秩序とはなんでございましょうや。毎日毎日国民の多くが餓死していくのを見ない振りをして、宮殿の中で饗宴にふけることでございますか」
七人の男たちの中では一番の歳頭とおもわれる、四十になったかならずに見える男が朗々とよく通る声で言い返した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます