第3話 それから・・・

しばらくして、お母さんからぼく出生の時のことを聞かされました。


生まれた時には男児とも女児とも外見では判別できなかったと。

さらに、その時の産科医院にも連れて行ってもらい、分からないことを聞いた。


それから半年・・・、ナニもなく時は流れ、

兄と同じ中学の受験も済ませた。

もちろん、両親が卒業生で兄も在校生だから、特例ではありませんが一種の忖度なのか、合格しました。


中高一貫校で、成績の良い生徒は大学までエスカレーター式の学園。

入学式や卒業式は、6年間で1回づつ。

共学ですが、学年によっては男女の生徒数が違い、兄・肇(はじめ)の学年は男子が多く、新入生のぼくの学年では女子の方が多い。


クラスは5クラスで、文系と理系・体育系の分かれます。

しかしながら、1学期の間は最初に発表されたクラス分けで、夏休みが終わった後に、自己選択で3つに分かれます。

小柄で童顔・女顔の歩は、入学する前から文系志望でしした。


入学式の翌日から校内案内や学事行事・サークル等の勧誘など様々な行事がはじまり、その間に人見知りが激しかった歩にも初めてたくさんの友達が出来ました。

例えばぁ~、

「わたしたち隣の学区の小学校から来た、美由紀に千春・文香です あなたは?」

「ぼくも、あなたたちと同じ・・・、〇〇小学校卒業の歩です 仲良くしてねっ」

「歩君かぁ~、かわいいねっ」

「え~っ、ぼく男の子だよ~」

「でもさっ、どちらかと言うと、おぼこいっていうのかなっ?」

「ぼく、みんなと一緒だよ~ ついこの前、小学校を卒業したんだから・・・」

と他愛な会話で、女の子と早やくも仲良く出来ました。


そして3日目に身体検査っていうか身体測定の日、

男女別々に五十音順に分かれて保健室に、

小学生時代と同じくカラダの成長も無く、身長ではこのクラス一番低いと分かった。

ちなみに、女子を含めても真ん中よりも前・・・低いかなって感じたよう。


身長が低くって、幼顔・・・、その上に女顔のような歩は女の子にも男子にも、変な意味で人気者になりました。


「歩君ってさぁ~、スタイルいいよねっ」

「ぼく、男の子だよっ スタイルなんて言われても・・・?」

「わたしたちと同じように、女子の制服着たらきっと似合うはず‼」

と、言われて

歩の心の中には、あのことが思い出された。

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