短くて長い話

@Lucifer54

魔神

世界のどこかに、なんでも願いを3つ聞いてくれるという魔神がいると聞いて、男はその魔神を探すべく、世界を放浪し続けた。魔神を探し求めて10年、気が遠くなるような年月をかけ、エジプトでようやく見つけた神殿には、いかにも魔神らしきものが座っていた。

「やっと見つけた。。。」

「・・・」

魔神が口を開いて言葉を発するかと思えば、魔神の言いたいことが一瞬にして頭に入って来た。

魔神いわく、魔神を丸10年探した欲求が強い人間だけに、それはその人間の前に現れると言う、いわば、魔神とは人々の願望の塊なのだ。

「そこの男よ、願い事を言うが良い。」

「お、俺の一つ目の願い事は、最難関大学をはるかに凌駕する学力で、二つ目は、

膨大なお金、最後に10年若返らせてくれ!、丸10年もお前を探したんだ叶えてくれるよな?こちとら家も捨て、お金も底をつき、友情なんてものはなくなってしまったんだ。」

「そうか、長旅ご苦労だった、大変だったんだな、よし、願い事は確かに聞いたぞ、それじゃあな」

次の瞬間、魔神が光になって消えていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短くて長い話 @Lucifer54

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る