第36話 魔将軍

「先程聞いた、魔将軍オセ、か」


レミアも、真剣な声音で呟く。


「はい・・・この世界に客人まれびととして現界する悪魔。父の友人で、父の在り方に興味を持ち、魔将軍の任にあります。その力は絶望的・・・父より遥かに脅威となるでしょう。あまり真剣に任務には就かないのですが・・・気まぐれに参加し、強力な勇者達を一瞬で灰と化した事も・・・」


ヴァルナが告げる。

戦いになった時点で負ける、か。


「オセは、女神様も想定してない存在ですからね。何とか戦いは避けたいところです」


マリンが心配そうに言う。


「ん?女神様?」


フィンが聞き咎め、マリンを見る。


「はい、エイコクさんに聞きました」


マリンが大嘘をつく。

言ってない。


「・・・ダーリン、女神様に会ったことがあるのか。なるほど・・・流石ダーリン」


フィンがうっとりした目で俺を見る。

・・・まあ、フィンの可愛さに免じて黙っておいてやるか。


「エイコク殿、ステータスは何か変わっているのか?ステータスクリスタルなら有るが」


レミアが俺にステータスクリスタルを渡してくる。

そう言えば、どのくらい強くなっているんだろ。


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名前:薄羽うすば影刻えいこく

職業:邪恋士じゃれんし80(特異職業エクストラクラス)(邪術士系統)

固有能力ユニークスキル

 愛属魔法れんぞくまほう

  ・相手を強制的に惚れさせる魔法を覚える。

  ・魔法を2回続けて行使する。

  ・初級魔術を行使できる。

魔法:

 愛属チャーム

  ・相手に耐え難い恋心を抱かせる。

  ・効果は*日間持続する。

  ・同時に*人を対象とする事ができる。

  ・効果が切れた後は、一切の影響が残らない。

 上級魔術

  ・上級までの、全属性の魔法を行使できる。

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「レベルが80・・・後、愛属チャームの説明が分かる様になっているな。思ったより安全な内容だった」


「待て、説明が分かる様に、って何だ?」


俺の呟きを、レミアが聞き咎める。


「最初に言っただろ?愛属チャームは、効果説明の下に、読めない文章が3行書かれてるって」


「聞いてないぞ?!」

「危険過ぎる・・・良くそれで使おうと思ったね?」

「読めない文章がついてるスキル・・・あるあるですよね!」

愛属チャームって、邪術ですよね・・・?」


レミア、フィン、マリン、ヴァルナが統一の取れていないツッコミを入れる。

追加で現われた文章を説明すると、レミアとフィンはほっとしたようだった。


--


夜。

フィンとの不寝番。


なんだかんだと、普段から寸止めされているし。

昼間ヴァルナにも散々もやもやさせられたし・・・


此処はやはり1線を越え──

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