どんでん返し、いつ仕掛けるか?(2)
どんでん返しの失敗は、大まかに言うと「ああ、やっぱりね」「ふーん、でも大したことないな」「は? 納得いかねーよ!」の3パターンになると思います。
「ああ、やっぱりね」は、観客や読者が途中で真相に気づいてしまった場合です。これでは、どんでん返しがどんでん返しになりませんね。
「ふーん、でも大したことないな」は、真相に気づいたわけではないけど、特に驚きもしなかったというパターン。
「は? 納得いかねーよ!」は、意表をつく真相ではあるけれど説得力がないときに起こる反応です。例えば、ろくに伏線もなく唐突に突飛な設定が持ち出された場合や、それまでの流れに矛盾するような場合(「前に〜だって言ってなかった?」「だったらあのとき、なぜ〜しなかったの?」など)、そして理屈の上ではあり得なくはないものの登場人物の心情や行動が不自然すぎて飲み込みづらい場合などが考えられます。
この中でいちばん害が少ないのは「ああ、やっぱりね」で、いちばん駄目なのは「は? 納得いかねーよ!」です。作り手としてはネタがバレたらマズいという気持ちが当然あるわけですが、その為に無理をすれば大火傷になりかねません。
観客・読者は、物語の展開を予想するものですし、そうする権利を持っています。予想を上回る展開が来れば大満足でしょうが、予想が当たればそれはそれで多少の満足感はあるはずです。しかし、予想すること自体が無意味だったと思わせるような強引な展開は、観客や読者に不満しか与えません。
作り手がアイディアをかわいがりすぎてはいけないのです。
どんでん返しのネタと言っても、「主人公は実は〜」、「この世界は本当は〜」、「邪悪な敵だと思っていた相手の正体は〜」などと形式化してみれば、今となってはどれもありふれたものにすぎません。それでもきちんと構成すればちゃんと面白くなります。逆にアイディアの絶対的な面白さを過信して、話の組み立てで無理をすれば失敗します。
失敗の傾向と対策については、もう少し掘り下げてみます。
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