わたしはカメレオン

佐城ぶどう

わたしはカメレオン

わたしはカメレオン

まわりのいろにあわせてじぶんのいろをかえるの


はっぱのうえではみどりいろ

つちのうえではつちのいろ


まわりがあかならあか

まわりがちゃいろならちゃいろ


こわいものからじぶんをまもるため

じぶんのじんせいをまっとうするため

わたしはじぶんのいろをかえていきていく


めだたないように

みつからないように

めをつけられてしまわないように


それがわたしのせいぞんせんりゃく

それがわたしのいきかたなの


つよいやつはいい

じぶんのいろをかえないでも

てきにたちむかっていけるから


そういうやつらは

ほんとうのじぶんをだいじにするらしい


わたしにはほんとうのじぶんなんてないから

そういうやつらがすこしうらやましい


だけどわたしはカメレオン

いろをかえてまわりにとけこみ

なみかぜたてずにいきていく


それがわたしのせいぞんせんりゃく

それがわたしのやりかただから


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたしはカメレオン 佐城ぶどう @sajo_fuwafuwa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ