16‐5「当たらない攻撃」
「来たな、ゴブリンめ」
魔王が俺を迎え撃つべく剣を振る。俺はそれをバックステップで躱す。
「何! ? 」
「貰った」
何という僥倖、大きく振りかぶった魔王の攻撃でのけ反った魔王に対して蹴りを浴びせようとする。その時だった、突然地面が割れ体制が崩れる。横目で見るとスペードと斧を持った男の戦闘が始まったみたいで男が地面を揺らしたのだ。
「見境のない、だが残念だったな」
魔王は笑うと再び俺に向かってくる。左上、左下、右上、右下と次々と振るわれる剣を躱して回る。
「馬鹿な、どうして当たらぬのだ」
愚痴をこぼした魔王に答える。
「確かに一度刃に触れると存在ごと斬られてしまう剣は恐ろしい。でもお前の技術力は大したことはない」
加えて俺の特訓相手はあのスペードだ。スペードの放つ剣に比べると振りは大きくスパートリーは長く避けやすい、それを知った魔王は驚愕したようだ。
「馬鹿な、そんな馬鹿な」
俺がそこまで言うと魔王が取り乱して剣を激しく降る。一見すごい迫力だが見ると先ほどよりも隙が大きくなっている。
「貰った」
俺がすかさず生まれた隙に蹴りを浴びせる。
「ぐっ……」
魔王が声を上げて高く跳びあがる。その時、カランと剣が落ちた。
今だ!
俺はすかさず剣まで向かうとその柄を手に取った。
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