第19話 俺の城に来ませんか?

「付き合って下さい」

 魔王は40才独身。

 付き合ったのはウン十年前に大学生の時に同じサークルの物好きな女性に向こうから告白されて付き合いました。

 今まで付き合ったのは、たった一人だけでした。

 しかも一年間だけでした。


「いいよ」

 毒舌天使級美女タエちゃんは下を向いていました。

 魔王に対してなんと恥ずかしげにしてるんです。


 恋は異なもの味なもの〜♫


 ええーーー?!

 毒舌天使級美女のタエちゃんがまさかの魔王の告白にオッケーです。

 オッケーを出しましたっ?!

 うそーっ!

 奇跡です。


 恋の天使キューピッドが魔王と毒舌天使級美女タエちゃんのあいだで笑っています。


「えっえっえっ? 良いわけ? あの元カレは?」

 毒舌天使級美女タエちゃんは顔を真っ赤にして言いました。

「おっさんのこと、なんか放っておけないって思って。

 私はおっさんのことが好きになっちゃったみたいだから。

 断ったよ」

 えっ?

 毒舌天使級美女タエちゃんは照れ隠しにまた「毛利さん」から「おっさん」に呼び名が変わりました。


 魔王は「おっさん!」って毒舌天使級美女タエちゃんに呼ばれて嬉しそうです。


「そのうち、うちの城にもおいでよ」 

「えっ? 城ってそこのちっちゃい中古のおっさんの家のこと?」

「そう」

「…まあ良いけど」

 ええ〜♪

 良いんだ〜?♪

 恋の天使キューピッドが大声で笑って二人を祝福しています。



 フワフワフワ〜♪

 見えないけれどいるんだよ〜♪

 悪戯好きで飽き性で面倒くさがりの恋の天使キューピッドはフワフワフワ〜ッと飛んで行ってしまいました。


 

 恋の天使キューピッドは〜♪

 あなたのそばに〜?♪

 来てるかもしれませんよ〜♪



          おわり♪

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

なりきり魔王 嫁もいないのに家買っちまいました 天雪桃那花(あまゆきもなか) @MOMOMOCHIHARE

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ